ソフトバンク株主「1番だけでは謙虚でない」 孫社長はナンバーワンの"使い分け"を明言

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お土産は羊羹

株主との主なやりとりは以下の通り。ちなみに、この日株主に配られたお土産はソフトバンクのロゴが入ったとらやの羊羹。昨年はオリジナル体組成計だったが、「アンケートで食べ物のほうがいいという声が多かったため」(広報室)とのことだ。

――永守さんは素晴らしい経営者。意気込みを聞かせてほしい。

永守氏 業種は違うが、孫社長とはよく似た経営理念を持っている。一から会社を起こし、世界一を目指す高い志でやってきた。一株主、一ユーザーとして独立性の高い意見を述べていく。ただ、株主価値を上げることだけでなく、ソフトバンクが世界に必要にされる企業になっていくことに貢献していきたい。

――柳井さんに聞きたい。ボーダフォン日本法人の買収時には「買えなかったときのリスクのほうが大きい」と言っていたようだ。米スプリントに関してはどう考えているか。

柳井氏 リスクがあるからプロフィット(利益)がある。グローバルでナンバーワンになるために、米国市場は不可欠だ。ただ、スプリントだけではなく、第2、第3の展開もある。失敗しないように、僕のほうで監視したい。

――テレビCMが「ナンバーワン」と言うばかりで、謙虚さがないのではないか。

孫社長 あまり一番、一番と言ってはいかんですね。人に言われるようにしないと。今、反省しました。

――有利子負債では圧倒的ナンバーワンになってほしくない。Tモバイルを買収すれば、ものすごい負債額になるのではないか。

孫社長 負債をゼロにすることが、ソフトバンクにとってよいことなのか。侃々諤々の議論をした。最終的な結論は、バランスを崩すような負債はよくないが、しっかりと返済能力があるという計算が成り立つときには、成長を優先することがあってもいいということ。バランスを考えてやっていく。

――株主優待についての提案。ヤフーBBおよび携帯電話の優待があるが、iPadの優待もほしい。ロボットのペッパーも株主が優先的に購入できるようにしてほしい。また、ユニクロ店舗へのペッパーの出勤はないのか。

孫社長 検討しましょう。

柳井氏 孫さんと検討します。

――ガンホー・オンライン・エンターテイメント株を1600円台で購入してしまった。現在は600円台。対策を教えてほしい。

孫社長 兄の権限として(実弟であるガンホーの孫泰蔵会長に)「お前、頑張れ」と言っておきます。

――震災時など、有事の際の対策を教えてほしい。

孫社長 震災当時から基地局の数は倍増した。24時間、バッテリーが持つ基地局もある。気球を使って電波を届ける取り組みも行っている。自動車にアンテナを載せた臨時車両も何百台と準備している。ここは着実に強化をしていく。少なくとも、この点では一番と言ってやっていきたい。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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