西武が拍車をかける池袋の大改造計画 駅舎リニューアルに加え、旧本社建て替えも
池袋駅の南側では、豊島区による東西デッキ広場という構想がある。これは、東側の西武百貨店と西側のメトロポリタンプラザの間に、線路を跨いで人の往来が可能なデッキを作る計画だ。
計画そのものは1980年代からあったが、豊島区は2013年10月にJR東日本と、翌11月に西武鉄道と相次いで覚書きを締結。目下、建設予定地で具体化に向けた測量・調査が進められている。このデッキと旧本社跡地に建つビルが接続する予定で、これが完成すれば利便性の向上が期待できる。
沿線人口の増加につなげる
西武グループは「選ばれる沿線作り」を標榜し、立て続けに駅舎を刷新してきた。駅のリニューアルを通して沿線イメージを向上させれば、沿線人口や乗客の増加につながる、という狙いだ。
たとえば、2013年6月にリニューアルが完成した所沢駅は、キッズトイレや授乳室といった設備に加え、改札内テラスや屋上庭園「トコニワ」など、広場や街になる駅作りを進めてきた。
1日の乗降客数が48.4万人という、西武の“本丸”ともいえる池袋駅をリニューアルすることで、沿線のさらなるイメージアップを図りたい考えだ。
池袋で動きを活発化させているのは、西武グループだけではない。東武鉄道は、これまでSPC(特定目的会社)に譲渡して証券化していた東武百貨店池袋店の土地と建物を1030億円で買い戻した。これにより店舗の改装などの自由度が高まるとみられ、今後、大規模な改修が行われる可能性がある。すでに、25億円をかけ、レストランフロアを25年ぶりにリニューアルすることを決めている。
東京都内の再開発では、品川や渋谷といったエリアが注目されがちだが、池袋駅周辺でも再開発の計画が少しずつ進んでいる。西武池袋駅のリニューアルや旧本社ビルの建て替えは、西武グループの企業価値向上だけでなく、池袋全体の底上げにもつながるはずだ。
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