化粧水が美容の「マストアイテム」という大誤解 肌表面が本来持つバリア機能が弱まるリスク

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角質層の保護や修復を最優先にするなら、化粧水は必要ありません。肌が本来あるべき状態にしてあげるだけで、肌は負担なく健康な状態を維持することができるようになるのです。

ところで、肌本来の機能を保ちながら美しく歳を重ねていくために、どうしてもみなさんにやっていただきたいことがあります。

それは“毎日かならず日焼け止めを塗ること”。 肌を老化させる最たる要因は、「紫外線」です。その紫外線を防御することが、長い目で見ると肌の機能にもっとも大きな効果を発揮します。なんともシンプルな方法ですが、肌の老化をできるかぎり抑えるためには、とにかく毎日欠かさずに、日焼け止めを塗ってください。

肌老化の原因の約8割が紫外線だといわれます。UVAは皮膚の奥に届いてシワやたるみの原因となりますし、UVBは色素沈着を引き起こしますから、シミや黒ずみの原因となります。

「日焼け止めを塗る」アンチエイジング

こうした紫外線の影響による肌の老化のことを「光老化」と呼びますが、紫外線を長期にわたって浴びつづけると、美容の問題だけでなく、皮膚がんのリスクにもつながりますから、そうした意味でも予防は大切です。

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そして数々ある化粧品のうちでも、この光老化に十分な効果を期待できるのは、じつは紫外線対策のみだといえます。「日焼け止めを塗る」というシンプルなケアが、光老化を予防するために自分でできる唯一にして、最大のアンチエイジング法なのです。

どんなに「若返り」や「アンチエイジング」をうたった化粧品を使っても、化粧品によって肌が若返ることは、残念ながらありません。

化粧品の目的は「肌を健やかに保つ」ことでしかないからです。でも、紫外線対策は誰にでもいますぐできて、かならず効果を発揮します。日焼け止めだけは1年を通して使用することをお勧めします。

落合 博子 国立病院機構東京医療センター形成外科長

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おちあい ひろこ / Ochiai Hiroko

日本形成外科学会専門医、皮膚腫瘍外科専門医、日本創傷外科学会専門医、日本抗加齢医学専門医
1991年に医師免許を取得。2016年に日本抗加齢医学会専門医
現在、独立行政法人国立病院機構 東京医療センターにて形成外科医長を務める。著作に『美容常識の9割はウソ』(PHP研究所)がある。

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