スカイマークに安全監査、業績好調でも懲りない不祥事の連鎖
新興航空会社のスカイマークで安全に関するトラブルが頻発している。
前原誠司国土交通相は「安全の根幹が揺らいでいる」と問題視。3月15日から3週間、スカイマークへ運航や整備、安全も含めた経営全般に関する特別安全監査に入っている。
「すべての分野を対象にした長期監査は異例」(国交省幹部)で、結果次第では航空法に基づく重い処分が下される可能性がある。
中でも悪質なのが写真撮影だ。機長らが運航中の操縦席に客室乗務員を座らせ、進行方向を見ずに後ろ向きでピースサイン。航空法では操縦者に見張りの義務を課しており、これに抵触する。
他社の現役機長は「現在は自動操縦機能で運航精度は上がっているが、誰も前方を見ないのはありえない」と驚く。
さらには体調不良の客室乗務員の搭乗を認めなかった機長に対し、逆に経営陣は機長を交代させていたことも発覚した。社内規定では運航便の全権限は機長にあり、経営陣が介入するのは違反となる。
経営体制を問題視
スカイマークにとって不祥事は今に始まったことではない。
過去には経営陣が乗員組合を強制的に解散させたことで、機長らが競合他社へ転職し、整備士も大量退職している。2006年には整備トラブルが相次いで2カ月半の特別監査が入ったほか、08年は機長不足で大量欠航。このときは短期監査で厳重注意が出された。