佐々木隆之 西日本旅客鉄道(JR西日本)社長--当社と世の中の倫理観に大きなギャップがあった

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 一方で、関西では私鉄さんとは非常に競争的です。ところが、私どもの反省として、競争というものを強く意識するあまり、協調できる部分が見えなかったことがあります。これは、どちらかというと、JRになってシェアを拡大したいとの思いで、一方的に攻めていった時代もありましたので、われわれに大きな責任があると思います。

ただ、最近は協調が必要だとわかってきました。JRアンド私鉄、私鉄アンドJRの組み合わせをすれば、お客様により便利なものになり、乗り継ぎをすることでお客様はCO2の発生も抑えて、目的地に行けるということが見えてきた。たとえば京阪(電気鉄道)さんとの連係プレーの成功事例には大変力を得ていまして、こういうケースを広げていきたい。何かのキャンペーンのときにも、私鉄さんとの協調は可能だと思います。

そのほか、電車の中で運転士が異音を感じたら、列車を止めさせてもらって点検します。これはサービスの点からいうと遅れるわけで旅客サービス上はマイナス。しかし、そこは安全がいちばんだろう、現場の感覚、現地の感覚、それを最優先すべきだと思います。

不採算ローカル線はバスへの転換提案も

--民主党が打ち出している高速道路の無料化については。

一言で言えば反対ですね。理由は三つ。まず総合交通体系というのは国で定めたものはないが、移動距離によって自動車、鉄道、飛行機のすみ分けが結果としてできてしまった。

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