FC東京が「ACL」に並々ならぬ意欲を示すワケ 大金直樹社長が語る「コロナ禍のクラブ経営」

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AFCアジアチャンピオンズリーグにFC東京が挑む(写真:松尾/アフロスポーツ)

新型コロナウイルスの影響で4カ月もの中断を強いられた2020年Jリーグ。11月7日に新国立競技場で開催予定されていたYBCルヴァンカップ決勝も、柏レイソルのクラスター発生によって2021年1月4日に延期となってしまった。

2009年以来11年ぶりのリーグカップタイトル獲得に燃えていたFC東京は思わぬ事態に直面したわけだが、長谷川健太監督も「こればかりは致し方ないこと。状況を受け入れ、気持ちを切り替えて臨むしかない」と強調している。

こうした中、彼らはJ1リーグと並行して11月24日に再開されるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の国際大会に挑むことになる。

コロナ禍初の海外遠征

当初はホーム&アウェー方式で行われていた同大会だが、コロナの影響で相次ぐ延期の末にカタールでセントラル開催されることが決定。24日の上海申花戦を皮切りに、1次ラウンド残り4試合を戦い、グループ2位以内に入ればラウンド16に進出できる。

東京フットボールクラブの大金直樹社長(写真:編集部撮影)

12月19日のファイナルまで勝ち上がれば、約1カ月の中東遠征を強いられるが、「これを乗り越えてアジア王者に輝くことが、今後の大きなステップアップにつながる」と大金直樹社長も力を込めている。

コロナ禍初の海外遠征という難しい戦いに挑むFC東京。そんな彼らの2020シーズンはこのACLプレーオフからスタートした。それが1月28日のセレスネグロス(フィリピン)戦。まさに波乱含みの幕開けだった。雪の予報が凄まじい雨嵐となり、本拠地・味の素スタジアムはまともにボールが蹴れないほどの悪条件に見舞われたのだ。

結果的には日本代表DF室屋成(現ドイツ2部・ハノーファー)と新加入のブラジル籍FWアダイウトンのゴールで2-0と勝利。順当に大会出場権を得たが、「今、思えば、この試合が紆余曲折の1年を予感させるものでした」と大金社長も神妙な面持ちで語っている。

2月に入るとコロナが急拡大。FC東京は公式戦4試合を消化したところで中断を余儀なくされる。J1ホーム開幕戦は2月29日の横浜F・マリノス戦の予定で、日本代表MF橋本拳人(現ロシア1部・ロストフ)を前面に押し出したポスターをホームタウンである都内の商店街や駅などに貼って告知強化を図っていたが、試合が行われないまま時間だけが過ぎていった。

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