企業年金の国内株離れ、国債買いの背後にIFRS


 企業年金の運用資産における国内株式のウェートが減り続けている。企業年金連合会の統計によれば、厚生年金基金と確定給付企業年金を合計した年金資産の資産構成のうち、国内株式のウェートは2005年度の30.8%をピークに、その後、減少を続けて、2008年度には20.3%まで縮小した。

年金資産の運用を受託している信託銀行、投資顧問会社などの話では、2009年度はさらに減少、現在も同様の傾向にあるという。いうまでもなく、株式市場の長期不振と国内企業への成長期待が希薄になっていることが背景にあるが、最近は新たに別の事情が影響している。2012年にも適用の可能性がある国際会計基準(IFRS)の影響だ。

IFRSは、年金積立金を一括負債計上のうえ、運用資産に発生した評価損失は、原則、即時償却することを年金基金の母体企業に義務付けている。つまり、IFRSの下では、企業は自社の年金資産の時価が業績の不安定要素となりかねない。そこで、IFRSへの対応策として、母体企業の間では年金資産のアセットアロケーション(資産構成)のなかにある国内株式運用のウェートを縮小する判断が広がっているわけだ。

企業年金の基金は合計約80兆円の資産規模を誇る国内有数の投資家が国内株式運用を縮小していることは、株式市場の不振につながり、その不振によって、年金運用資産のなかの国内株式のウエートがさらに下がるという悪循環パターンにIFRSが拍車を掛けているという見方もできる。

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