マンダムが「オヤジの肌ケア」市場を狙う事情 コロナで外出自粛、得意のスタイリングが苦戦

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
マンダムの倉石昇部長が目の下のくまなどを隠すコンシーラーを実演してくれた(撮影:風間仁一郎)

コロナ禍を受けた在宅勤務により一気に普及したオンライン会議。画面に映し出された自分の顔を見て、「シワやシミが増えたな」と老いを感じる中年男性は少なくないのではないだろうか。

「ウェブ会議でどこを一番見るか」という質問を化粧品会社のマンダムが40代男性にしたところ、約5人に1人が「自分の顔」と回答した。そしてその半分以上が「自分の顔が老けていると感じた」と答えた。

日本初の男性向けシワ改善商品

「在宅勤務で『老け』に気づくきっかけがある」と、同社ブランドマーケティング二部の倉石昇部長は指摘する。毎日歯磨きなどで鏡を見るときは「キメ顔」をしているが、ウェブミーティングでは自然体のときも多い。その顔がふと目に入った際に、自分の老いを実感したり、画面が暗いことでシミに気づいたりすることが多いという。

マンダムはミドル男性向けのスキンケアブランド「ルシード」から、シワ改善クリームを2020年8月に発売した。ナイアシンアミドという成分が配合されており、ほうれい線や目じりのシワを改善し目立ちにくくしてくれる。男性向けのシワ改善商品は日本初となる。

また、シミや目の下のくまなどを隠すコンシーラーや、肌色を明るく見せるローションも同時に売り出した。

「家で過ごす時間が増え、今までチャレンジしなかったことをしてみよう」(マンダムの西村健常務執行役員)と、スキンケアに男性が向き合いつつあるという。

市場調査会社インテージのデータによると、メンズスキンケア(化粧水・乳液・クリーム)の国内市場規模は96億円(2019年)。2326億円ある女性のスキンケア市場(化粧水・乳液・美容液・栄養クリーム)の4%ほどしかないが、この10年で市場規模は1.5倍に拡大した。外出自粛で女性はメイクする機会が減り、化粧品市場は苦戦を強いられているが、メンズスキンケアの2020年1~8月の売上高は前年同期を上回っている。

次ページ花王も狙うメンズ市場
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事