グーグル「クロームキャスト」の衝撃 4200円で「テレビでネット動画」を実現

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いずれにせよ、これまでは比較的明確に切り離されてきたテレビとネットの世界が、徐々に近づき融合する一方、本格的な競合関係に入り始めていることは確かだ。テレビ局にしてみれば、牙城だった「リビング娯楽の王様」という地位を守りきれなくなるかもしれない。

通信とテレビの融合がお手軽に

また、ネット動画の周辺では、広告市場をはじめとして新たなビジネスチャンスが勃興しつつある。市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングによれば、日本では昨年(2013年)、YouTubeが主体となるネット動画広告市場が132億円と前年比3倍に急拡大した。

全体で9381億円(電通調べ)程度のネット広告に占める割合はまだ数%だが、シード・プランニングは2017年に日本の動画広告市場が640億円まで拡大すると予想。1兆7913億円(電通調べ)のテレビ広告市場を少しずつ侵食していくことが予想される。通信がテレビをジャックし、結果的に通信の広告が伸びていくというわけだ。放送局側は、この攻勢にどう対応するかが問われる。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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