富士、さくら、はやぶさ…名列車「愛称」大百科 写真で見る往年の特急ヘッドマークの数々

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列車名で忘れてならない特急が「つばめ(燕)」である。1930年に東京―神戸間で運転を開始、同区間を当時としては極めて速い9時間で結んだところからスピード感を表す「燕」の愛称が付けられた。東海道本線の看板列車として君臨したつばめは国鉄の象徴となり、国鉄のプロ野球球団「国鉄スワローズ」(ヤクルトスワローズの前身)もつばめにちなんで命名された。つばめのマークは今もJRバスに受け継がれている。

「つばめ」はJR化以後も暗黙の取り決めにより大切にされてきたが、JR九州が突如、博多―西鹿児島(現・鹿児島中央)間の在来線特急に「つばめ」と命名、九州新幹線開業後は新幹線の区間運転列車にも命名され、もっぱらJR九州が独占している状態だ。

愛称入りマークが人気だったブルトレ

1956年、東海道本線電化完成と同時に登場したのが東京―博多間を走る「あさかぜ」だ。1958年には20系客車の投入により、「あさかぜ」はブルートレイン第1号となった。以後往年の名特急「さくら」「富士」などもブルートレインに仲間入りし、昭和50年代には「ブルトレブーム」も到来。美しいヘッドマークを追って「撮り鉄」も誕生した。

現在、新幹線で最速を誇るのは、東北・北海道新幹線を最高時速320kmで走る「はやぶさ」だが、この列車名はかつて東京―熊本間を結んでいたブルートレイン「はやぶさ」の名を受け継いだものであることはご承知のとおりである。

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