『世界クジラ戦争』を書いた小松正之氏(政策研究大学院大学教授)に聞く--食を地球的な課題と多様性を持って考えよ


--それにしてもシー・シェパードは過激です。

以前のグリーンピースは、垂れ幕、プラカードを掲げる程度だった。いまのような直接行動には出ない。シー・シェパードのポール・ワトソンはグリーンピースの環境保護活動が生ぬるいと、たもとを分かった人物。カナダのアザラシ漁を妨害したり、ノルウェー船を沈没させたりして、2007年ごろから南氷洋での妨害を始めた。

彼らの目的は完全に捕鯨をやめさせることだ。調査捕鯨にしろ商業捕鯨にしろ。この目的を達成するためには、簡単にいうと手段を選ばない。ただ、海賊の対処に関する国際条約や、国内法において海賊行為に当たるのか、テロリズムに当たるのかは議論の分かれるところのようだ。

--ノルウェーは、今も商業捕鯨をしています。

ノルウェーは商業捕鯨ができる。46年にできた国際捕鯨取締条約の5条の規定で、異議申し立てをして、この条約のいかんにかかわらずモラトリアムの適用されない国になった。国際条約には異議申し立てを繰り返せば、条約上の権利として反対の意見と認められ、決まったことでも適用されないことはよくある。

--日本はミンククジラの調査捕鯨ですね。

戦後しばらく、捕鯨オリンピックなどといって捕獲頭数を競うことさえあった。そこで60年代の前半には日本は世界一にもなっている。今から見るといい悪いの判断が違うかもしれないが。

その後、63年にシロナガスクジラが禁猟になって、72年にナガスクジラに及んだ。82年に全クジラにモラトリアムが採択され、これが85年から発効した。

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