フランス「男性の育休取得」に本気になった背景

2021年7月からは最大で1カ月の取得が可能に

父親による育休の取得可能期間を倍増すると発表したマクロン大統領(写真:EUTERS/Ints Kalnins)

取得期間を14日から28日に倍増――。フランスのエマニュエル・マクロン大統領が9月23日、父親による有給の育児休暇の取得可能期間の延長を発表したことは、日本でも話題になった。フランスでは来年7月21日から約1カ月の育休取得が可能になると同時に、最短でも7日間の取得が義務付けられることになる。

マクロン大統領はエリゼ宮で行った演説の中で、「この決定は何よりもまず、男性と女性の平等に向けた一歩であり、これは私の任期中で最も重要な問題の1つである。(……)子どもが生まれたとき、母親だけが子どもの世話をしなければならない理由はどこにもない」と力説した。

フランスでは現在、労働者の約7割の父親が育児休暇を取得しているが、これが来年の7月から100%になるわけだ。父親による育休取得にかかる政府のコストは年間50万ユーロと現在の倍となる一方、7日間の取得義務に違反した企業には1人あたり7500ユーロ(約90万円)罰金が科されることになる。

フランスもヨーロッパでは「出遅れ」

今回の決断に際して専門家委員会を率いたフランスの精神神経科医ボリス・シリュルニク氏もこう話す。

「最近まで父親は、赤ちゃんが寝ている間に会社の行き来をしていた。しかし、最初の数週間は成長が早く、父親が家にいることで父親、母親そして赤ちゃんとの関係育まれ、誰もが安心感をもつようになる。(……)これまで、企業や女性は、男性は新生児に関わるべきではないと語っていた。この考え方は、もう死んだも同然だ」

ちなみに、専門家委は9週間の育休取得を推奨したという。

フランスでは2002年に父親による育休は現在の2週間まで認められるようになっていたが、その後ヨーロッパ各国がこれを超える父親による育休取得を認めるようになった。

イギリスのガーディアン紙によると、スウェーデンでは60日間(給与の8割を支給)、スペインでは12週間(完全有給で来年はこれが16週間に延長される予定)、フィンランドでは54日間(給与の7割を支給、来年からは7カ月に延長される予定)の育休取得が認められている。

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