四季報最新号で判明、コロナ禍でも「強い会社」 新型コロナの影響による最悪期は脱したのか

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東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフストラテジストの北野一氏とともにマーケットを展望する月1回の動画連載「Monthly TREND REPORT」。第9回の後編は「会社四季報・秋号から読み解く企業業績の動向」。『会社四季報』の山本直樹編集長が解説します(詳しくは動画をご覧ください)。
前編:『成長株「金利ゼロだから割高じゃない」にご用心

製造業の減益幅が拡大

山本:9月18日に発売した『会社四季報2020年4集秋号』では、新型コロナウイルスの影響がより鮮明になりました。

上の画像をクリックするとSBI証券「Monthly TREND REPORT」のページにジャンプします

上場企業全体の今期・来期業績予想を、直近四半期決算や取材を基に更新したのですが、秋号で掲載した上場3785社を集計したところ、今期売上高は9.4%減収、営業利益は23.1%の減益となりました。

比較対象はやや異なりますが、3カ月前の『会社四季報2020年3集夏号』時点と比べると、夏号が8.2%減収、営業利益が16.0%減益でしたので、売り上げも営業利益もそれぞれ下方に修正されていることになります。

内訳を見ると、製造業が10.9%減収、営業利益は26.8%減益となっていて、非製造業は8.6%減収、20.4%減益となっています。特に製造業の減益幅の拡大が大きく、自動車メーカーを含む輸送用機器が赤字転落になったほか、電気機器、化学などが下方修正となっています。

増益予想の業種は医薬品と情報通信業、証券業の3業種、それと黒字転換する石油・石炭製品の1業種です。夏号の時点と変わっていませんが、今期に業績が改善すると見込まれるのは、全33業種のうち、わずか4業種にとどまりそうです。

――厳しい状況は続いているということですか。

はい。もちろんコロナウイルスのマイナス影響が、かなり深刻なところも多くあるんですけれども、一方でコロナ禍でも業績を伸ばす会社や回復が早い会社があり、二極化の要素が見てとれます。

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