2代前の山手線「205系」、武蔵野線でも引退目前 武蔵野線の205系に乗るのは今が最後の機会

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しかし、山手線などから205系を転用する際、6M2Tとすると他路線に回す電動車が不足するため、VVVFインバータと三相交流誘導モーターに換装。モーターの定格出力は120kWのままだが、粘着性能が向上したので4M4Tで6M2Tと同等の動力性能を確保した。

M17・20編成の電動車はVVVFインバータ制御方式に改造し、5000番代となっている。いずれも元山手線用車両を改造した(筆者撮影)
モハ205形5000番代に搭載されている東洋電機製のVVVFインバータ装置。JR東日本の在来線電車では三菱電機製と日立製が多く、東洋製は希少な存在だ(筆者撮影)

VVVFインバータに換装したため、モハ205+204のユニットは5000番代に改番。M17編成は36→5039、132→5009、M20編成は138→5010、171→5034としている。いずれも元山手線用で、このうち5039が国鉄時代に製造された。

VVVFインバータ装置はJR東日本の車両では少数派となる東洋電機製で、その点でも希少だと言える。引退する前にインバータとモーターの音を聞いておくのもいいだろう。

205系は転用する際に短編成化されたため、付随車のサハ205形の多くは先頭車化改造、または廃車されている。現在サハ205形を使用しているのは武蔵野線だけで、M17編成にはサハ205-224・225、M20編成にはサハ205-226・227を組み込んでいる。

4両ともJR東日本が製造した元埼京線用の車両。乗降ドアの窓が大きいのが外観上の特徴で、他の車両と窓の大きさが違うので一目でわかる。

205系の引退はいつ?

武蔵野線用205系を置き換えるために中央・総武線用209系500番代8本、E231系(0番代、900番代)33本が転用された。この結果209系500番代11本、E231系33本の陣容となった。

サハ205形は元埼京線用で、客用ドアの窓の窓が大きいのが特徴。右のモハ204形と比べるとその大きさの違いがよくわかる(筆者作成)

しかし、まだ205系が2本残っているという状態なので、他路線からE231系を転用させる必要がある。そのうちの1本は松戸車両センターに所属している常磐線用E231系0番代マト118編成だとうわさされている。現在マト118編成は長野総合車両センターに入場中で、武蔵野線の帯に貼り替えて出場すると思われる。もう1編成については今のところ噂が出ていないようだ。順当ならば常磐線から転用されると考えられるが、果たしてどうなるのか気になるところだ。

一方、205系のインドネシアへの譲渡は10月末に完了すると噂されており、それまでには205系が引退すると予想される。いずれにしても武蔵野線の205系に乗車できるのは今が最後のチャンス。この機会に乗りに行ってみてはどうだろうか。

松沼 猛 『鉄おも!』編集長

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まつぬま たける / Takeru Matsunuma

大阪府出身。明治大学文学部卒。株式会社三栄書房に20年間在籍し、編集者として世界各地を飛び回った。2008年12月から『鉄道のテクノロジー』編集長を務めた後、2013年5月に独立。現在は『鉄おも!』編集長のほか、『鉄道ジャーナル』『ニューモデルマガジンX』『カーグッズマガジン』、鉄道、自動車関連ムックなどに執筆。

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