大きく言って、バブルは「短・中・長期」の3つがある。最悪の場合、この3つのバブルが同時に崩壊するだろう。少なくとも、2つのバブルは確実に崩壊する。そして、3つ目のバブルが崩壊すれば、時代は大きく転換し、新しい社会が生まれる。コロナだけでは社会は本質的には何も変わらないが、もしすべてのバブルが崩壊するのなら、社会は「まともなもの」に戻っていく。ひとことで言えば、約500年前のような状態に戻るのだ。
少なくとも「短期」「中期」2つのバブルが崩壊する
少し説明しよう。
まず、コロナショックへの救済策で膨らんだ今回のバブルは崩壊する。これは必然だし、明快だ。いつになるかは議論があるが、崩壊することは確実だ。1つ目のバブル崩壊は、コロナバブルという短期バブルの崩壊である。
次に、中期バブルも崩壊する。中期バブルとは、複数の短期バブルからなる。短期バブル(循環)の繰り返しが中期バブル(循環)である。今回のコロナショックバブルは、その前のバブルが崩壊するのを防ぐために、金融市場を救済したことによって生まれた。その前のバブルとは、2009年以降約11年間上昇を続けていた株式バブル、不動産バブル、そしてそれらを生み出した根源である、世界的な国債バブルだ。
この国債バブルは、2008年のリーマンショックによる世界的な金融バブル崩壊の救済措置のために行われた、前代未聞の大規模金融緩和で生まれた。具体的に言えば、世界中の主要な中央銀行(日本を除く)が、国債を中心にリスク資産を自ら大量に買い込んだのである。
これは中央銀行が作った金融緩和バブルであった。要は、世界的な金融バブル崩壊の処理を先送りするために、中央銀行がバブルを意図的に作り、リスクは自らが敢えて抱え込んだ。そのバブルが崩壊しかかったときに、コロナショックが起き、コロナショックのために金融財政政策を総動員し、バブルは崩壊するどころか、さらに新しい短期バブルが生まれ、膨らんだのである。
すでにコロナショックがバブルになっている理由は、コロナショックが社会的には印象的な衝撃が大きすぎ、当初無秩序に救済策がとられたからだ。コロナショックは、急激な需要減少だが、それは短期限定的で、需要減少の総量としてはリーマンショックよりも遥かに小さい。
また、ストックも傷んでいない。つまり工場の設備もインフラも多くのビジネスモデルも基本的には無事である。人々の不安が解消し、行動制限さえ緩和されれば、すべて元に戻る。さらに、銀行などの金融機関が、少なくとも直接にはほとんど傷んでいない。例えば不動産バブル崩壊で銀行の資本が毀損し、貸し渋り、貸しはがしなどが起きて、経済全体がバブル崩壊からの不況に陥ることはない。
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