高給ビジネスマンは、学生人気の高い企業を奨めない
学生の就職人気ランキング上位企業と高給ビジネスマンが学生に勧める企業は、あまりにも違う。学生は安全性を求めるが、高給ビジネスマンはグローバル性、人材育成力、成長性を重視しているのだ。
最近発表された2つの調査から、学生視点と高給ビジネスマン視点の違いが明らかになった。
学生は事業内容よりも安全性
東洋経済新報社と文化放送キャリアパートナーズが共同で学生対象に行った「就職ブランドランキング調査」(週刊東洋経済2010年1月23日号掲載)では、学生の安定志向により金融が上位入りしたのが目立つ。
1位の三菱東京UFJ銀行は、前年の8位から一気に首位に躍り出た。昨年11位の三井住友銀行は大きく順位を上げて3位。また、昨年27位のみずほフィナンシャルグループも18位へ躍進した。※ランキングは次ページ
学生が金融を選択した理由は、「倒産する可能性が極めて低い」「親が勧めるから」など。事業内容よりも安全性の高さが理由となっている。
2位のJTBは業界1位であるという安心感が評価された。10位の明治製菓は、不況期に強い食品メーカーの代表としてのベスト10入りだ。
20位以内には博報堂、フジテレビなどマスコミが6社入っているが、全社とも昨年より順位を下げた。昨年はトップ3がすべてマスコミ。上位10社中6社がマスコミだったことを考えると、マスコミ離れが進んでいると言える。
これは、マスコミが安全ではないという意味ではない。倍率が高くて入社できるかわからないマスコミのために時間をかけていられないということ。そんな時間があれば、安全な企業の内定を少しでも早く欲しいという学生が増えたのだ。
高給ビジネスマンのイチ押しは三菱商事
一方、年収1000万円以上の求人情報に限定した求人サイト「ビズリーチ」を運営するビズリーチは、平均年収1228万円のビジネスマンである会員911人に就職活動中の大学生に薦めたい企業について、アンケート調査を実施。「本当の就職先人気企業ランキング」と銘打って発表した。