安倍政権が「トランプ再選」を熱望している理由 政権与党は歴史的に共和党大統領を好んできた

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2016年には32年間で初めて日本の指導者層の共和党好みが変わったことがあった。大統領予備選挙の間は日本の指導者たちは元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュやマルコ・ルビオ上院議員などといった共和党候補を支持したが、本選でドナルド・トランプとヒラリー・クリントンという二択を前にすると、安全保障における同盟国および経済的パートナーとして日本を重視する姿勢を国務長官として見せていたクリントンを日本の指導者層は好んだ。

しかし、トランプの勝利によって日本の指導者層はこれまで通りの共和党支持へと逆戻りした。安倍首相は多くの忍耐と粘り強さをもってほかのほとんどのG7首脳よりもトランプ大統領と近しい関係を築くことに成功した。

意外と変わり身が早いかもしれない日本

トランプ大統領が再選されれば、安倍首相が多大な時間と努力を費やして深めてきた親しい人間関係を活用するために、安倍首相が4期目の3年間も首相として続投するべきだと主張さえする自民党議員もいる。

トランプ大統領が11月3日に勝利すれば、継続した近しい関係がこれからも通用すると考え、日本政府の首脳陣は安堵することだろう。ただ、バイデンが勝利したとしても、日本の指導者層は新たな政権と関係を築くためにすぐさま適応するのではないか。

2016年にも日本は同様の対応をしている。安倍首相はニューヨークへと向かい、11月17日にトランプタワーにて次期大統領となったトランプに(海外首脳としては初めて)面会しているのだ。大統領選出から10日も経たないうちの出来事である。

ジョージ・W・ブッシュやバラク・オバマ、ドナルド・トランプ、そしてこれからはジョー・バイデンというふうに、さまざまなアメリカ大統領と向き合う経験を持つ安倍首相なら、首相としての立ち直りの早さを行動で示し、共和党を個人的には強く好んでいるとしても、民主党とも必要であればうまくやっていけるということを見せることができるだろう。

グレン・S・フクシマ 米国先端政策研究所(CAP) 上級研究員

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Glen S. Fukushima

ワシントンD.C.のシンクタンク「米国先端政策研究所(CAP)」の上級研究員。カリフォルニア州出身で、アメリカ合衆国通商代表部で対日と対中を担当する代表補代理や在日米国商工会議所の会頭を務めた経歴を持つ。また、ハーバード大学の大学院生のときには、エドウィン・ライシャワー教授、エズラ・ヴォーゲル教授、デイヴィッド・リースマン教授の助手を務めた。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事