家計が苦しくなった人に知ってほしい節約の肝 先が読めない中で固定費をいかに下げていくか

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これからは、何にいくらお金がかかるのか、かつてより見通しにくい時代になるでしょう。家計のやりくりには、突発的に想定外のものにお金がかかるリスクをつねに想定しておくことが、今まで以上に重要になると思います。

筆者がこれまで、ファイナンシャルプランナー(FP)として家計の相談を受けていると「食費にいくらまで、日用品にいくらまでなど、使ってもよいお金の目安を教えてほしい」という質問をよく受けました。従来は、家族構成や収入に応じた目安を費目ごとに提案していましたが、withコロナの時代には目安どおりにいかないことのほうが多くなるだろうと予想しています。

加えて、これからは今までにも増して家計のゆとりが重要になると思います。経済停滞はコロナの感染以上に深刻といわれています。今夏のボーナスだけでなく、その後も収入が右肩下がりになる可能性がありますし、第2波、第3波があれば突発的に収入が大幅減するおそれもあります。黒字にできる月には少しでもお金を貯め、思わぬ収入減に耐えられる体制を早いうちから目指しておきたいものです。

節約は固定費から先に手を付ける

しかしこの時世に、お金を貯めるのはいつも以上に難しくなっています。収入が上がらなければ、生活費を削らねば貯めるお金を捻出できません。

ところが節約も、コロナによってかつてより難しくなったと筆者は感じています。感染の状況に応じて巣ごもりしたり仕事を休んだり、子どもの学校が休校になったりする。予測不可能な生活の変化が重なれば、生活上、何にいくらまでお金を使ってよいのか判断しにくいからです。

そこで、「固定費」を優先的に節約すると効果が出やすいのではないでしょうか。住宅ローンや家賃などの住居費、携帯電話代や水道光熱費、保険料、新聞やインターネット通信、NHK受信料、生命保険料など、毎月必ず出ていくお金です。

一般的に節約というと、食費から削る人が多いです。しかし食費は生活の状況によってかかりかたや金額が変わりやすいお金です。上述の家計調査でも、コロナによって大幅に増減していました。レジャーやゲーム、日用品などもそうですが、変動費はコロナの影響を強く受けやすいのです。これほどまでに生活様式が激変する状況下では、変動費の節約はかなり難しいと思います。

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