日本の株主総会が世界から20年も遅れている訳 企業統治をめぐる「2つの致命的な誤解」とは

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競馬である。

28日は今年前半の総決算「宝塚記念」(G1、阪神競馬場11R、距離2200メートル)であるが、この週末は、G1レースはない。そこで、今日はWIN5という馬券について話をしよう。

WIN5とは、1つのレースの結果を当てるのではなく、その日の5つのレースの勝ち馬をすべて当てる馬券である。通常は、週1回、日曜日の特別競争(その日の終わりのほうに行われる、相対的にレベルの高いレース)の中から、JRA(日本中央競馬会)が指定した5つのレースが対象となる。

2着や3着は関係なく、勝ち馬だけを当てるので、競馬では1着、勝利だけがすべてだ、という考え方の私にぴったりだ。

「WIN5」の「3つのメリット」とは?

そして、馬券として、つまりギャンブルとしてのメリットはたくさんある。第1に、小額で多額の配当が得られる可能性がある。100円が数百万円になるのはザラで、1000万円超えどころか、億超えもあり、これまでの最高配当は4億7180万9030円である。的中者が出なかった場合には、宝くじの「LOTO7」やサッカーくじの「TOTOBIG」のように、キャリーオーバーされ、翌週の配当額が増える。

第2に、胴元であるJRAにとられる部分が、考え方によっては少なくてすむ。つまり、100円で1億円を狙う場合には、1レースで当てるのは無理で、昔はよくあった、コロガシ馬券というのがある。

例えば100円で10倍を当てて1000円になったら、それを次のレースにすべてつぎ込んで1000円を8倍の8000円にする。次の次のレースでは、8000円を5倍の4万円にする、といった具合である。WIN5は5つのレースの単勝を当て続けるのと同じだから、5つの単勝を転がして当て続けるのと何が違うのか、と思われるかもしれない。

しかし、かけ金総額のうち、約20%から約30%(馬券の種類による)程度は、JRAに残ることになっている(控除率という)。それで賞金などの開催費用にし、利益として残れば国庫に納付するのである。もし、5レース転がすと、期待値は0.8(控除率20%)の場合、0.8の5乗である0.33、つまり3分の1になってしまう。ところが、WIN5(控除率約30%)ならJRAに差し引かれるのが1回ですむため、約70%の期待値がある。転がすより得だ。

第3に、現実的なギャンブラーのメリットして、熱くなりすぎずにすむ、ということがある。実は馬券を買うときに一番悩ましいのは、予想、つまりどの馬を買うか、ではない。

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