「プジョー508SW」乗ってわかった意外な瞬発力 このステーションワゴンはおしゃれで味がある

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60年代だと、アストンマーティンを買って、専用のボディ架装会社に持ちこみ、リア部分を改造して、ちょっとコンパクトな荷室を付けてもらったのものをシューティングブレイクと呼んでいました。狩りの道具を積み込んで高速をぶっとばしていく、という趣向であります。

(左)フロントシートにはシートヒーターや、電動調整、ポジショニングメモリー(運転席のみ)機能やマルチポイントランバーサポートを装備(右)GT BlueHDiにはアルカンタラとレザーのコンビネーションによるシートが標準装備(写真:LEON編集部)

いまでこそ、狩りは(動物虐待にもつながるので)あまり褒められた趣味ではない、ってムードですが、当時は金のかかる高級な趣味として認められていたんですね。クルマにはシューティングブレイクというスタイルは残り、こちらは高級なパーソナルカーとして扱われているわけです。

メルセデス・ベンツの先代CLSにも設定されていたし、フェラーリGTC4ルッソ(フェラーリFF)だって、シューティングブレイクの系譜に連なるモデルです。ルーフが長いスタイルって、カッコいいのですよ。

508SWは、テールゲートを備えたクーペともいえるスタイルを強調しています。でも荷室は通常でも530リッターも。メルセデス・ベンツCクラスステーションワゴンでも470リッターなので、スタイルだけではないのですよ。クルマには実用が大事というフランスのクルマづくりの面目躍如とホメてあげましょう。

リアスタイルは、横基調のリアコンビネーションランプを中心に、キャラクターラインがしっかり入って、個性的です。交通が多いところでも埋没していません。いい意味で、デザインが主張しています。

外観上の個性は、シルエットにとどまっていません。とりわけフロントマスクは、一目見てすぐ”新しい508だ”とわかります。それは、LEDを使ったシグネチャーランプが設けられているせい。プジョーのシンボルはライオンです。そのライオンが大きなキバを見せたように、縦方向にLEDライトが埋め込まれ、独特のアグレッシブな雰囲気をかもしだしているんです。

インテリアも、スポーティさがしっかりあるんです。上と下を直線的にした独特の造型の小径ステアリングホイールはレースカーを思わせます。ドライビングポジションは高めのセンターコンソールなどのおかげで囲まれ感が強い。パーソナルな雰囲気を大事にしているクルマなんですね。

ほどよいサイズ感で使い勝手よし!

「GT BlueHDi」ではシートはレザー張り。

面の作りは緊張感を感じさせる(写真:LEON編集部)

座面と背もたれのところのステッチによるパターンのおもしろさもさることながら、側面部分、肩にあたるあたりは、通気の孔が無数に開いたパーフォレーテッドレザーを使うなど、よくよく見ると細やかな使いわけなど、感心させられます。

この内装、贅沢な気分に浸れます。彼女を乗せてあげるときだって、きちんとおもてなし感覚があります。インフォテイメントシステムには、スマートフォンとのミラリング機能も備わっているので、音楽のアーカイブを楽しむのにもってこいです。

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