中国の不動産市場がコロナ禍の影響を抜け出し、全面回復の様相を見せている。中国国家統計局は5月18日、主要70都市の2020年4月の住宅価格動向を発表。それによれば、新築住宅の販売価格は3月に比べて1級都市で0.2%、2級都市で0.5%、3級都市で0.6%それぞれ上昇した(訳注:国家統計局は調査対象の70都市を独自基準で3つに区分。1級都市は北京、上海、広州、深圳の4都市、2級都市は省都クラスの31都市、3級都市はそれ以外の35都市を指す)。
3月のデータと比較すると、前月比の上昇幅は1級都市では横ばいだったが、2級都市では0.2ポイント、3級都市では0.4ポイント拡大した。中古住宅の販売価格も3月に比べて1級都市で1.1%、2級都市で0.4%、3級都市で0.2%それぞれ上昇。前月比の上昇幅は1級都市が0.6ポイント、2級都市が0.2ポイント、3級都市が0.1ポイント拡大した。
値上がり率トップの南京は「高級人材」を優遇
調査対象の70都市のうち新築住宅価格が上昇した都市数は3月は半分強の38だったが、4月は7割の50に増加した。逆に下落した都市数は同22から11に減少した。中古住宅価格は上昇した都市数が同32から37に増加、下落した都市数は28から26に減少した。
新築住宅価格が最も値上がりした都市は江蘇省南京市で、前月より1.8%上昇した。同市では地方出身の高学歴者などいわゆる「高級人材」の定住促進に力を入れており、2019年11月に新築マンション売り出しの抽選などで高級人材を優遇する政策を導入。新型コロナの流行が落ち着いた今年4月には、優遇を申請できる資格を修士から学士に拡げ、住宅取得意欲を刺激する政策に事実上舵を切った。全国トップの値上がり率は、こうした政策効果の表れとみられている。
(財新記者:牛牧江曲)
※原文の配信は5月18日
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