生産性0のムダ会議がなぜこうも減らないのか 「意見がありすぎて」会議が一向に進まない…
建設的な議論ができない最大の理由は、問題の「現状」と、「理想」という目的が共有されていないことです。
「問題が起きた→何をしよう」ではなく、今自分たちはどういう状態で、どんな状態に変わることを目指すのか。これを意識することから、すべての問題解決は始まります。
問題解決できる人の「頭の使い方」は、「カーナビ運転のようなもの」です。車を運転していて道に迷ったとき、私たちはごく自然にカーナビを使います。そして現在地と目的地を確認して、最適なルートを検索します。地図を確認せずに、自分の感覚で右折したり左折したりしていても、意外と目的地に着かないという経験はみなさんにもあるのではないでしょうか。
問題解決はそれとよく似ています。地図を開いて、目的地をセットして、最短経路を割り出し、運転する。問題解決の一連の「頭の使い方」をインストールしていれば、どんな問題にも対応できるようになります。
問題を「3つのボックス」に分解して構造的に理解する
問題解決のスタートは、現在地と目的地を示す地図を広げてみること。その地図となるのが「3つのボックス」です。頭の中であれこれと渦巻いていることを「現状」「理想」「アクション」の3つにわけることで、問題の現在地(=自分が置かれている状況)と、目的地(=どこへ向かおうとしているのか)を整理します。
「3つのボックス」に整理することには、「物事を構造的に理解できる」という効果があります。
構造というのは、構成要素と、要素間の関係です。簡単にいうと、何が、どういう状態になっているかということ。漠然とした問題も、何が、どういう状態か分解してとらえることで、冷静に見つめることができるようになります。
例えば道を歩いていて、前方から向かってくる自転車と衝突しそうになったら、「危ない」とか「ヤバい」ととらえます。この場合「ヤバい」を構造的にとらえると「自転車と衝突しそうになっている状態」になります。もっと具体的にいえば「前方から自転車が自分に向かってきていて、あと4mほどで衝突してしまう」などと表現することもできるでしょう。
すると「ヤバい」のなかに隠されていた要素と要素の関係がわかり、意味がはっきりします。こうなれば対策を考えることもできるはずです。ビジネス上の問題に置き換えても同じことがいえます。例えば「売上が悪くてヤバい」という問題も、「商品Aが100の仕入れに対して20しか売れていない」と構造的に分解すると、意味がわかります。そして「仕入れを減らしたほうがいい」といった対策を考えることができます。
日本語の「わかる」と「わける」は、同じ語源を持つとされています。つまり、物事を分離させるということは、本来、理解することと同じだということです。逆に物事がいっしょくたになって入り組んでいる状態は、カオス、要するに混沌として理解しがたい状態ということになります。
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