日経平均574円安、国内勢が慎重になる理由 「大型連休」前や米先物安を警戒、大幅反落

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 5月1日、東京株式市場で日経平均は反落した。写真は東京証券取引所で2018年2月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落した。オーバーナイトの米国株市場で主要3指数が下落した流れを継ぎ、朝方から売りが先行した。時間外取引の米株先物の下落に連動する動きもみられ、今晩の米株式相場の下げを警戒した売りが強まった。大型連休を控えていることもあり、利益確定やポジション調整も売りが出やすかった。

日経平均は前日の米国株安の流れを引き継ぎ、201円72銭安で反落スタート。その後も下げ幅を拡大し、一時641円96銭安の1万9551円73銭の安値を付けた。米アップル<AAPL.O>の決算発表を受け、取引時間外の米株先物が軟化したことも嫌気された。大型連休を控えていることに加え、日経平均は前日2万円台を回復して取引を終えたことから、水準的にも利益確定売りの動きが出やすいタイミングもあった。

米アップルが発表した第2・四半期(1─3月)決算は売上高と利益が市場予想を上回ったものの、今四半期の業績全般については、新型コロナがもたらす不透明な状況により、見通しを示すことは不可能とした。株価は引け後の時間外取引で2.55%下落した。[nL4N2CI5YH]関連する銘柄では、村田製作所<6981.T>、アルプスアルパイン<6770.T>、TDK<6762.T>、太陽誘電<6976.T>などが軒並み下落した。

市場からは「きのう買い戻しをしたヘッジファンドなどが、きょう売り戻した。連休中の米株下落リスクもあり、手仕舞い売りも優勢となっている。景気回復に対する楽観ムードも改められ、今晩発表される4月の米ISM製造業景気指数も警戒されるなど、買い上がれる地合いではない」(国内証券)との声が出ていた。

TOPIXも反落。東証33業種では全てが値下がりした。海運業、保険業、鉄鋼業、非鉄金属、輸送用機器などが値下がり率上位に入った。

個別ではアイロムグループ<2372.T>が後場急伸し、ストップ高となった。子会社のIDファーマ(東京都千代田区)が新型コロナウイルス向けワクチンの開発を進めるため、文部科学省へ第二種使用等拡散防止措置確認申請を行ったと発表したことが材料視された。国立感染症研究所感染研と共同で研究開発し、感染研の持つ新型コロナウイルスのゲノム情報を基に、IDファーマの基盤技術を用いて新型コロナ向けの新規ワクチンを作成するという。

東証1部の騰落数は、値上がり324銘柄に対し、値下がりが1807銘柄、変わらずが40銘柄だった。

 

日経平均<.N225>

終値      19619.35-574.34

寄り付き    19991.97

安値/高値   19,551.73─20,000.25

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1431.26 -32.77

寄り付き     1452.46

安値/高値    1,424.93─1,453.93

 

東証出来高(万株) 136465

東証売買代金(億円) 22980.23

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