新社会人が稼げる人になる「コスパ最強」の方法 「若いうちは自分に投資せよ」は間違っている

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もちろん、会社によってはそんな立派な研修プログラムを用意してくれないところもたくさんあります。それならそれで身近な先輩や上司を見ながらしっかりとOJTで学べばいいのです。

私自身の経験でも、最も実践的な研修になるのは現場に出ることでした。私は20年間勤めた会社を辞め、独立して仕事をしていますが、今の仕事で最も役に立っているのは、若い頃に通った語学学校での勉強でもなければ、セミナーで習ったビジネスマナーでもありません。職場で与えられた目標をこなすために必死で工夫したノウハウや、現場で相手を説得するために身に付けた知識と交渉術が、今の自分の仕事上の最も大きな財産になっているのです。

仕事に役立つスキルや知識が「現場での実績」という形で積み上がれば、転職の際にも優位です。「たくさん資格を持っています」という人よりも、「業界での実績があり、即戦力になる人」のほうが採用されやすいことは明らかです。いちばん大事なのは今の仕事を頑張ることで、業界で一目置かれ、他社からは嫌がられる存在になること。転職に成功した多くの人はほかからスカウトされた人たちです。広島から巨人に移籍して活躍した丸佳浩選手のように、「味方になれば心強い」と競合他社から思われるようになることでしょう。

まずは会社から与えられた役割を果たすこと

今年は新型コロナウイルスの感染拡大という特殊事情によって、入社式も研修も普段の年とは様相が大きく変わっています。新しい環境で不安もある中、同期が一堂に会したり、会社のトップの話を聴いたりする機会がほとんどないため、会社において自分がどういうことを期待されているか体感しにくくなっています。そのため、不安や焦りを感じやすくなり、ネットでさまざまな情報を見るうちに資格やセミナーに関連する広告が目につきやすくもなるでしょう。

しかし、焦る必要はまったくありません。早くプロになり、“稼げる人”になりたいということであれば、まずは会社の研修や仕事を通じて自分に与えられた役割を果たす能力を高めることに注力すべきです。ビジネススキルというものは、それが本当に必要になったときに身に付けていけばいいのです。

何よりも大切な“自分への投資”は、今の自分の仕事を一生懸命頑張ること、仕事を通じて得た経験や自信は、きっと未来のあなたを支えてくれると、私は思います。

大江 加代 確定拠出年金アナリスト

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おおえ かよ / Kayo Oe

大手証券会社に22年勤務、サラリーマンの資産形成にかかわる仕事に一貫して従事。退社後、夫の経済コラムニストである大江英樹氏(株式会社 オフィス・リベルタス 代表)を妻として支える一方、確定拠出年金の専門家としてNPO確定拠出年金教育協会 理事、企業年金連合会 調査役として活動。野菜ソムリエの資格も持つ。

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