社員30人の会社が下請けにならずに戦える理由

昭和測器の「人を幸せにする経営」とは何か

東京都千代田区にある昭和測器(写真:昭和測器提供)
新型コロナウイルスの感染拡大が、雇用にも影響を及ぼし始めました。各企業が生き残るためリストラを選択することも考えられます。
しかし、経営学者である坂本光司氏の40年以上にわたる企業研究・現場調査によると、中小・中堅企業、また地方の企業であっても数々の困難を乗り越えてきた会社は、必ずと言っていいほど「人を幸せにする経営」を行っているということです。今回は、そんな企業の1つである昭和測器(東京都千代田区)を坂本氏の著書『日本でいちばん大切にしたい会社7』より紹介します。

振動計メーカーの知る人ぞ知る会社

東京の秋葉原に本社を置く昭和測器の創立は、今から50年前の1970年。社員数は30人と決して多くはないが、振動計の専門メーカーとして知る人ぞ知る会社だ。自動車、タービン、その他回転機器などの分野で、これまで多くの画期的な商品を開発し、ニッチな分野でトップシェアを維持、好調な業績を誇る要因になっている。

中でも、携帯型振動計は、対象に押し当てて数値を読み取るだけで、簡単にぶれが計測できる自社開発のロングセラー製品だ。

ただ、昭和測器で特筆すべきなのは、高い技術力を駆使した精緻な振動計の数々にある。たとえば、理化学研究所が運用している世界一大きな次世代電子顕微鏡は、わずかな振動の存在も許されない精密な機械で、この顕微鏡を設置する際には、100万分の1ミリの揺れも測定できるという昭和測器の超高感度振動計が使われている。

社内の様子(写真:昭和測器提供)

また「はやぶさ」で有名なJAXAでも、人工衛星の地上での加振試験を行う際、昭和測器の振動計を使用している。海底地震の計測や、天然ガスの発掘に用いる海底地質調査用の地震センサーも昭和測器の製品だ。

社員30人の小さな会社が、海底から宇宙まで、最先端技術を支える技術を生み出している。まさに、「日本の中小企業の技術力、ここにあり」というべき会社である。

年間売上高は6億3400万円。業績もよく、創業以来50年間一貫して黒字経営、借金ゼロを続けてきた。ここ十数年は経常利益20%超えを継続し、社員にはずっと5カ月以上の賞与(ボーナス含む)を支給し続けている。

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