JR中央線に登場、「駅そばロボット」の腕前は? 東小金井駅で淡々とそば茹でる「寡黙な職人」

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肝心の味は、人間が作ったそばとまったく変わらずおいしかった。

よほど食べ慣れた人であれば、麺のぬめりの違いに気づくらしいが、少なくとも私には、ロボットと人間の作ったものの差はわからない。

ちなみに温かいおそばは、ロボットの作業の後に人間が再び麺を温め直し、さらに水切りをするので、ロボットの茹でた麺そのものが食べたいという方は、冷たい麺を注文するのがおすすめ。

この駅そばロボットは、1時間に40食分のそばを作ることができる。これは店舗全体の約8時間分で、約0.5〜1人分の作業量だそう。その分、人手が減らせるというわけだ。

今回の試みは、JR東日本スタートアップと、調理ロボットサービスを開発しているコネクテッドロボティクスが、NREと協力し、効率化を目指して始めたものだ。

ロボットで目指す「味の安定化」

「そばはNREの主力商品。最初からそばに焦点をあて、スピードと味の安定化、単純な反復労働からの従業員の解放のために導入しました」と語るのはNREの日野正夫社長。

もともと調理工程を自動化したいと考えていた。人手不足はどの業界でも言われているが、ロボットは外食産業ではあまり取り込まれてこなかったという。

採用に踏み切った理由の1つは人手不足の解消だった。では、味の安定化とはどういうことか。日野社長はこう答える。

「例えばニューデイズのおにぎりの具材は、人が目分量で詰めていますが、やはり機械のほうが分量には正確です。今回の駅そばロボットに関しても、100秒という時間の中で、きっちりと工程をこなしてくれる。1秒として遅れることもないわけです。将来的に機械化による安定した供給を目標にしたいですね」

その作業をロボットが支障なくこなせるかどうか、この1カ月間で試される、ということらしい。がんばれ、ロボット。

今回、なぜ実証実験が行われているのが東小金井店なのかというと、コネクテッドロボティクスが東小金井にある東京農工大に拠点をおくから。何かあった場合にすぐ駆けつけられること、そして東小金井店の利用者数が、ロボットが対応できる数に対してちょうどよかったためだそう。

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