日本が石炭火力依存続けば2流国に落ちる根拠 打開技術はある、足らないのは政治的意思だ

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いま私たちがいるのは進歩の時代ではなく、レジリエンスの時代です。気候変動がどれほど危機的状況にあるか、多くの人が気づいています。自然は我々の理解を超え、人間が制御できないものになりつつあります。

グリーン・ニューディールが最重要と気づいた若い世代

私は楽観主義でもなく、悲観主義でもなく、guarded hope(用心深い希望)を持っています。

Z世代(1990年代後半から2000年生まれの世代、インターネットや携帯電話の環境に生まれ育った世代)やミレニアル世代(1980年代から1990年代半ば生まれの世代)のような若い世代が、昨年140カ国で大規模なデモに参加しました。脱炭素社会への転換を地球全体で進める必要性を訴え、各国政府へ早急に気候変動対策をとるよう要求したのです。これは宗教や民族の違い、イデオロギーの違いを超えた、歴史上類を見ないデモです。この若い世代は、自分たちを「絶滅危惧種」とみなし始めたのです。

『グローバル・グリーン・ニューディール』(NHK出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

彼らはグリーン・ニューディールが最も重要な優先事項であることに気づいたのです。このことを理解していない古い政党を権力の座から一掃するには、アレクサンドリア・オカシオ゠コルテス(30歳。アメリカ下院議員で活動家)やグレタ・トゥーンベリ、サンナ・マリン(最近フィンランドで首相になった34歳の女性)のような人が何百万人も必要です。

アメリカはこれからの4年間で古い政治権力を一掃しなければなりません。そのためには、政府がグリーン・ニューディールに移行するまでのロードマップを作らなければなりません。

日本にはこのグリーン・ニューディールを達成できる、すべての技術がそろっています。このレジリエンスの時代に人類が絶滅しないためには、すべての人、産業が関わる必要があります。あとは政治的意思だけです。政治的意思がなければ、それを実行することはできないのです。

ジェレミー・リフキン 文明評論家

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Jeremy Rifkin

経済動向財団代表。過去3代の欧州委員会委員長、メルケル独首相をはじめ、世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを務める。また、合同会社TIRコンサルティング・グループ代表として、ヨーロッパとアメリカで協働型コモンズおよびIoTインフラづくりに寄与する。1995年よりペンシルヴェニア大学ウォートンスクールの経営幹部教育プログラムの上級講師。著書『ヨーロピアン・ドリーム(The European Dream)』はCorine International Book Prize受賞。広い視野と鋭い洞察力で経済・社会を分析し、未来構想を提示する手腕は世界中から高い評価を得ている。

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