三菱重工、客船事業で600億円特損計上へ 今期純利益予想は達成可能というが・・
[東京 24日 ロイター] -三菱重工業<7011.T>は24日、2014年3月期に客船事業に関連して600億円程度の特別損失を計上すると発表した。世界大手のクルーズ客船会社、米カーニバルの欧州法人コスタ・グループ傘下のアイーダ・クルーズ向け大型客船2隻について、大幅な設計変更が発生しており、コストが当初より膨らむため。
ただ、同日夕に会見した三菱重の野島龍彦常務は、特損計上に伴う今期業績への影響について、純利益予想1500億円は各事業でリスクが顕在化したとしても達成できると想定して見積もった数字だとして、「若干下振れの懸念はあるが、1400─1500億円程度は成しうることができる」との見方を示した。
また、2月1日に日立製作所<6501.T>と統合した火力事業の新会社による持ち分法利益が想定より若干増加するほか、円安効果や税金などによる影響もあり、営業利益予想1900億円も変更はないとしている。
客船は11年11月に受注。国内建造の客船としては過去最大の12万4500総トン、約3300人乗りで、15年の引き渡しに向けて一番船(プロトタイプ)の建造を昨年6月から着手していた。
しかし、顧客の要望で当初から「仕様を高級化したことが影響」(鯨井洋一常務)し、ホテル部分の設計作業が膨大になり、大幅に設計変更していることなどにより設計費が増加、資材調達や建造工程などにも悪影響が及び、費用がかさんだという。
(白木真紀 編集:田中志保)
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