「円安でも日経平均下落」は異変の始まりなのか

「ついに日本売りが始まった」は本当なのか

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がサウジアラビアの首都リヤドで22日開催された。麻生太郎財務相は初日の討議終了後の会見で、財政余地のある国には果敢な措置への期待を表明したことを明らかにした。日銀の黒田東彦総裁も前日の月例経済報告関係閣僚会議で、新型コロナウイルスが内外経済に与える影響に日銀として最大限の注意を払うと強調したというが、日本は率先垂範できるのだろうか。

実際、国内景況感は極めて厳しい。2019年10~12月期実質GDP速報値は前期比1.6%減、年率換算では6.3%減となった。コロナウイルスの影響を考えるとおそらく1~3月期もマイナスとなる可能性が高い。2四半期連続マイナス成長なら「テクニカル・リセッション、景気後退期入り」となる。

ところが、その後発表された2月月例経済報告では、輸入は、前回の「おおむね横ばい」から「このところ弱含んでいる」に判断を下方修正したが、個人消費は「持ち直している」との表現を維持した。これでは金融緩和策追加的出動はイメージ出来ず、売り方ファンドは安心して日本を売れるはずだ。

ともかく景気の減速とコロナウイルスの不透明感に覆われる中で、アメリカを中心に世界の株式市場は底堅さを維持し、ドイツDAX指数も先週一時史上最高値を更新した背景には、金融緩和の威力が発揮されているということにほかならない。

当然日本株においてもその基本的な考え方は変わらない。株価は前述の厳しさを織り込んでいるはずだが、1月30日から東証1部売買代金は、閑散相場と言われる2兆円未満には1度も陥っていない。この間1月30日の2万2977円を下値に、2月6日の2万3873円までのゾーン内のモミ合いだ。2万3000円を割ることなく海外ファンド(JPモルガン)などの売り物を静かに受け止め、「方向は下ではないよ」と言っているように思えるが、いかに。

テクニカル指標は「買い」示唆、株価回復を待つ局面

テクニカル指標で見ると、騰落レシオが18日に71.94(70前後で買いとされる)を示唆し、現在も75.78と70台の買いシグナルを出している。また日経平均株価の25、75日移動平均は下回ったが、下方乖離は1%未満で誤差のうちに居る。総合乖離(25、75、200日移動平均乖離率の合計)も4.11%と買い場を表している。

中国のハイテク大手ファーウェイが5G製品の自社工場での製造と主要サプライヤーの工場再開を宣言し、供給網に問題がないとコメントした。先週筆者が取材した自動車電装部品中堅の鈴木(本社・長野県)によると、同社の中国工場(広東省)は一部従業員が帰省先から戻っていないものの、生産水準は正常値まで回復しているとのことだ。このように、ウイルスの震源地でアル湖北省は工場再開が延長されているが、他の中国の工場は急速に回復しているようだ。ここはあわてず焦らず、全体株価の回復を静かに待ったらどうか。

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