BTSと共演した韓国人気子役が大炎上した理由 ネットのバッシングは「児童虐待」に当たる?

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1人1メディアと言われる時代に入り、自ら配信できるツールが増えてくると、ネット上では動物虐待の動画や写真の投稿がじわじわと増えだし問題になっている。

昨年の夏には韓国のあるYouTuberが生配信中に飼い犬のしつけについて語りだし、犬の顔を殴る、手足を掴みベッドに叩きつけるなどを実演して見せた。その配信を見ていた視聴者は警察に通報し、YouTuberに警察の調査が入り犬は保護された。しかし、怒りの収まらない国民らが政府に訴えを投稿できる大統領府の国民請願掲示板に「動物虐待処罰・有害ユーチューブ取り締まり強化」の訴えが上がり、20万人以上の署名が集まった。

また、アメリカでもNetflixで『猫イジメに断固NO!: 虐待動画の犯人を追え』というドキュメンタリーシリーズが放送され話題になった。これは、動物虐待者が投稿した猫殺しの動画をもとに、ネット住民たちがわずかな証拠を集め追い詰めていく対決を描いた作品だ。

投稿する親の注意と意識が重要

さて、今回のサランちゃんの動画炎上事件だが、筆者も実際にこの動画を見るまでは、「またネット上で皆が大げさに反応しているだけで、実際は子どもが猫に強めにじゃれているぐらいなのだろう」と思っていた。しかし、実際の動画を見ると、猫の顔を叩く動作をし、抱き上げて軽く投げている。いくら子どもがした事だと言っても不快感を持ってしまうほどだった。プロのスタッフではなく親が撮影をしていて、作られたセットではなく生活の中での出来事だ。猫を飼っている筆者を含め、愛猫家達が心配に感じてしまうのもうなずける。

今回、サランちゃんは、意図した部分以外で注目を浴びる結果となってしまった。演出ではなく日常を切り取って制作された動画だからこそ、TVよりさらにサランちゃんが飼い猫にいつもこのような態度を取っているのではないかと視聴者に想像させてしまう。だからこそ、撮影しチャンネルにアップロードした親は、クリックする前にもう一度内容を考えて配信をするべきだっただろう。これから未来のあるまだ幼い我が子をネット上で攻撃されないためにも、今一度しっかり考えて行動すべきだ。

あるBTSファンはツイッターで「グ・サランはどうしてやっちゃったんだろ。いくらジミン兄さんからのプレゼントが大事だからって、動物を虐待しないで......」と投稿している。

ウォリックあずみ/映画配給コーディネーター
20歳で渡韓、2002年韓国ソウル芸術大学映画学科に入学。2005年から韓国の映画会社入社、2008年より映画バイヤーになる。2016年に帰国、2017年よりアメリカ・ワシントンDC在住。
「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

世界のニュースを独自の切り口で伝える週刊誌『ニューズウィーク日本版』は毎週火曜日発売、そのオフィシャルサイトである「ニューズウィーク日本版サイト」は毎日、国際ニュースとビジネス・カルチャー情報を発信している。CCCメディアハウスが運営。

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