イタリア「高速列車脱線」早期回復のカラクリ

迂回ルートを駆使して事故当日に運転を再開

2月6日、イタリア・ミラノ近郊のロディで脱線転覆した高速列車「フレッチャロッサ・ミッレ」(写真:AFP=時事)

2020年2月6日午前5時30分過ぎ(現地時間)、イタリア北部ロディ近郊の高速新線上で、ミラノ中央駅5時10分発サレルノ行きの高速列車フレッチャロッサ・ミッレ9595便が脱線転覆、運転士2人が死亡し、乗客乗員合わせて31人が負傷する惨事となった。

現場はミラノ中央駅から約52kmの地点に位置する、緊急時や保線作業時に使用する待避線(リヴラーガ待避線、PM Livraga)で、このような待避線は高速新線上に50~100kmごとに設置されている。事故発生時の速度は最高速度に近い時速290kmに達していた。

脱線の衝撃で先頭車両は連結器が外れ、線路外へ大きく逸脱。待避線上に留置してあった保線用車両と接触、さらにその先の信号機器などを納めた建屋に激突し、180度回転して横倒しとなった。残りの7両もすべて脱線したが、横転することなく線路上にとどまった。

待避線のポイントが原因か

運転士2人以外の乗客乗員はほぼ軽傷で、事故発生から15分後に警察や消防が到着した際には、全員が自力で車外へ脱出していた。時速290kmの速度で脱線したにもかかわらず、死者が2人だけだったのは、この列車がミラノ中央駅から南部へ向かう始発列車であり、乗客が30人ほどしかいなかったからで、不幸中の幸いだったと言える。

なお、「先頭の機関車が脱線」という記事が現地や日本の報道で散見されるが、事故車両は動力分散方式(電車)のETR400型車両で、先頭車両を機関車だとする記述は誤りである。

詳しい事故原因については現在も調査が続いているが、警察や関係者の調査により、本線から待避線に分岐するポイントが待避線側に向いていたことが原因だったとほぼ断定されている。

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