意外と知らない「オリンピック聖火」の長い歴史

東京五輪の開幕に向け3月にギリシャで採火

2016年リオ五輪のプレビュー採火式の様子(写真:AP/アフロ)

2020年東京オリンピック・パラリンピック、気づけばもう7月24日のオリンピック開幕まで半年を切っている。

現在は、新型コロナウイルスによる肺炎の猛威で日本も世界も、オリンピックの話題どころではないという感を否めないが、3月に入れば「いよいよ」というムードになるのかもしれない。

3月12日、東京オリンピックの聖火が採火される。

採火式の模様など、これから目にする、耳にすることが多いと思う。聖火が「生まれる」のは、オリンピック発祥の地、ギリシャの中でも、古代オリンピックが行われていた世界遺産オリンピア(Olympia)。その遺跡の中で、採火式が行われるのが「ヘラ神殿」という。2019年6月に、行ってきた。どんなところなのか、今後のニュースなどを見る際に参考になれば幸いだ。

オリンピアの街は、ギリシャの首都アテネの北西、アテネから車で直行すれば約5時間で着くだろう。ペロポネソス半島にある小さな田舎町といっていい。

古代オリンピックの起源とは

オリンピアの遺跡は、街からは車で10分ほどで着く。ここが、2800年ほど前から行われた古代オリンピックの舞台になった場所だ。

オリンピア・スタジアムの跡地(筆者撮影)

入ると、練習場、闘技場、選手村、スタジアムなど競技関連施設や神殿などの遺跡が点在しているが、ほとんどが崩れている。

古代ローマ帝国による破壊、地震などの天災によって原形をとどめている建物はほとんどないが、世界で初めての「オリンピック・タウン」が確かにここにあった。

聖火の採火式が行われる神殿は、この遺跡の中で最も古いとされているヘラ神殿。ヘラというのはギリシャ神話の最高神ゼウスの妻の名前で、オリンピア遺跡ではそのほか、ヘラクレス、ニケ、アポロンといった聞いたことがあるようなギリシャ神話の神々の名前が建物や彫刻につけられている。

オリンピアのヘラ神殿(筆者撮影)

古代オリンピックの起源は諸説あるが、ヘラクレスらが登場する神話ではなく現実的で有力なのは、紀元前8世紀に疫病の蔓延に困ったこの地方の王イフィトスが、アポロンの神託を受けて、当時ギリシャに多くあった都市国家(ポリス)間の争いをやめて、農閑期の8月に競技会を始めたのが起源という。

競技は紀元前776年に始まり、394年にローマ皇帝によって廃止されるまで、4年に1度、1200年ほど続いた。今の陸上競技のほか、レスリングや戦車競技など戦争に関連する競技も多かった。

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