ピエール瀧「逮捕後わずか1年弱で復帰」の是非 芸能界は甘いのか、活動復帰への応援と批判
だからこそピエール瀧さんは復帰するだけでなく、迷惑をかけてしまった人々に対するフォローをこれまで以上にしていく必要があります。もちろん急きょ代役を引き受けてくれた人や、番組プロデューサーなどの主要人物には謝罪をしていると思われますが、最も大変な思いをしているのは、ピエール瀧さんが連絡先を知らず会うこともない、現場で汗をかいている人。ピエール瀧さんは社会復帰を果たし、仕事を進めながらも、折にふれてそういう人々に向けてのメッセージを発信していきたいところです。
実は昨年3月から4月にかけて私自身もピエール瀧さんの逮捕で、さらなる仕事を求められるという経験をしました。逮捕の数日前、ピエール瀧さんに会って話をしましたが、その印象は、ユーモアたっぷりの受け答えで数十人のスタッフを笑わせていた気づかいの人。だからこそ、「猛省しているのなら復帰後は、ますます気づかいのできる人になっているのではないか」と思ってしまうのです。
「映画はいいけど、テレビはダメ」の背景
有罪判決から早期復帰の是非を論じる声の中で、もう1つ見逃せないのが、「見たい人がお金を払って見に行く映画だからいい」「誰でも目に入ってしまうテレビへの復帰はダメ」という声。ピエール瀧さんだけでなく沢尻エリカさんが法廷で「女優復帰は考えていない」と語ったときも、「映画ならいいけどテレビはダメ」という声が飛んでいました。
事実、昨年の逮捕後、ピエール瀧さんが出演していたドラマは撮り直しを余儀なくされ、その姿が消えたのに対して、映画『麻雀放浪記2020』『宮本から君へ』『引っ越し大名!』『ロマンスドール』、ウェブドラマ「全裸監督」(ネットフリックス)は、そのまま公開・配信されました。さらに今後配信予定の「全裸監督 シーズン2」への出演も決まっているそうです。
テレビ、映画、動画配信サービス、それぞれの判断に対する批判が少なかったことから、この考え方がスタンダードになっていることは間違いないでしょう。ただ着目しなければいけないのは、「この考え方は主にネット中心の生活をしている人々のもの」であること。
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