岐路に立つジュピターテレコム(JCOM)、CATV王者の市場をNTTが侵食


 そして年明けの1月には影響が数字にも表れ始めた。右肩上がりで増え続けてきたCATV加入世帯数が、前月を初めて下回ったのだ。2月にはやや持ち直したものの、3月は再び純減に陥る。「価格差が大きく開くと、サービスの訴求だけで加入者を取り返すのは難しい」(加藤徹事業担当取締役)。異変を放置できず、巻き返し策として導入したのが関西限定のお得プランだった。

これまではJCOMブランドで全国一律のサービスを提供してきた。傘下に収めたCATV局にもセット価格を導入し、顧客単価の上昇につなげている。ところが、ライバルの攻勢を受けて突然、“一物二価”へと転換。森泉知行社長は「当社の世帯普及率が2割を超えた中、さらに加入者を増やしていくには、各地域ごとに有効な商品やサービスを展開する必要がある」と説明する。

ただし、多チャンネル放送で競合するケイ・オプティコムとは、単に価格競争をしているにすぎない。JCOMにとってはるかに脅威なのは、NTT東日本が昨年7月に始めた「フレッツ・テレビ」だ。

フレッツ・テレビはスカパーJSATホールディングス傘下の放送会社オプティキャストが、NTTの光回線を使って提供する放送サービス。ネット接続料金に682円を上乗せすれば、地上デジタル放送とBSデジタル放送が視聴できる。

多チャンネルのJCOMとはバッティングしないように見えるが、実はフレッツ・テレビこそCATVのビジネスにとっては厄介な存在だ。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 看取り士という仕事
  • 就職四季報プラスワン
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT