メーガン妃の「王室離れ」が至極まっとうな理由

マイノリティーゆえ苦しめられてきた

デイリー・メール紙が2016年に「ヘンリーの彼女はコンプトン出身(のようなもの)」(コンプトンはアメリカ・カリフォルニア州にあり、犯罪が非常に多い都市として知られる。アフリカ系アメリカ人の居住者が多い)という見出しの記事を載せて以来、メーガン妃は多数の人種差別的・性差別的な記事のネタにされてきた。記事ではメーガン妃が「外来のDNA」を持つと言ったり、家族の歴史を「綿花栽培の奴隷から、南北戦争での解放を経て王室へ」などと書いたりした。

2人が2018年に結婚し、メーガン妃が公式に王室の一員になると、タブロイド紙は戦略を変えた。メーガン妃がスタッフを怒鳴りつけたり、義理の姉であるキャサリン妃を泣かせたりする、気の荒い女性だと書くようになったのだ。記事の見出しには「ハリケーン・メーガン」「気難しい公爵夫人」などの言葉が使われた。

友人から警告されていたメーガン妃

「タブロイド紙はメーガン妃を、まるできれいなバラ(イングリッシュ・ローズ)のトゲみたいに言って、怒った黒人女性に仕立て上げようとした」と、エドネスは言う。

昨年10月に放送されたITVテレビでの希少なインタビューで、メーガン妃は自身の苦難について語った。また、友人からは、もしヘンリー王子と結婚したら、イギリスのタブロイド紙が「あなたの人生を破壊する」と警告されたとも話した。

タブロイド紙は、記事には人種的偏見は含まれていないとし、夫妻の生活が公的資金で賄われている以上、それを精査する権利があると述べた。

「メディアの大半が無視しているのは、今回の夫妻の決定においては人種差別が大きな要因となっていることだ」と、ケンブリッジ大学の「黒人とマイノリティー・キャンペーン」の元代表であるナディーン・バチェラー・ハントは言う。「アメリカでは人種差別についてよく話されるし、人々がもっと意識している。しかし、イギリスでは黒人のコミュニティーが小さいので、人種差別が重要な問題としてあまり取り上げられない」。

2011年に実施されたイギリスの最新の国勢調査では、総人口に占める黒人の割合は3%で、白人が87%、残りがそれ以外となっている。これに対してアメリカでは、2019年のデータで、ヒスパニック以外の白人の割合はわずか60.4%、黒人が13.4%で最大のマイノリティーグループだ。

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