日本人は外国人頼みの将来像をわかっていない 25年で2000万人が減る中で支え手になるのは

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日本はいま急速な少子高齢化で人口がどんどん減っています。

厚生労働省の最新の人口動態統計(速報値)によれば、2018年の出生数は91・8万人となりました。〝団塊の世代〟や〝団塊ジュニアの世代〟は1学年で200万人を超えていましたが、100万人を下回ったのが2016年。それから3年連続で出生数が100万人を割り込み、このままでは2019年には90万人を下回ることになりそうです。少子化のスピードも速くなっているのです。

また、死亡数は2018年に戦後最多を更新して、136万9000人となり、「自然減が44万8000人と過去最多となりました。

国立社会保障・人口問題研究所のデータによれば、2030年には東京を含むすべての都道府県で人口が減少し、3人に1人が65歳以上の高齢者になるそうです。さらに2045年までに日本の総人口は1億642万人にまで減るとの予想が出ています。2019年10月時点の総人口が1億2614万人(概算値)だったので、これからの25年で2000万人近く減少する計算です。

わずか25年間で日本人の6人に1人がいなくなることになるのです。ゾッとする数字ではないでしょうか。

とりわけ、都市部より地方の減り方がひどいそうで、3割減が当たり前と見込まれています。早急に対策を立てないと、今後は各地にシャッター商店街が増えるばかりでなく、空き家もいまよりもっと増えていくでしょう。

日本人減と外国人増はコインの表と裏

こうした日本の人口減少と外国人の増加は、ある意味で、コインの表と裏のような関係にあります。

日本で暮らす外国人の人口は増加の一途を辿っており、その数は、30年前と比べてほぼ3倍に当たる282万9416人(2019年6月時点の速報値)となりました。前年末より約10万人増えています。日本で暮らす外国人の人口はすでに京都府の人口よりも多く、日本の人口減に歯止めをかけているのも外国人というのが現実なのです。

日本の総人口の割合で見れば約2%、50人に1人が外国人という計算になります。

この数字を多いと感じるか、少ないと感じるか。人によってその印象はずいぶんと違うかもしれませんが、たとえばヨーロッパ諸国であれば外国人の割合は総人口の10%を超えていても珍しくないですし、〝移民受け入れの先進国〟とも言われるカナダでは20%以上となっています。5人に1人が外国人というわけです。単純に日本の10倍です。

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