「ケンタッキー食べ放題」が圧倒的人気呼ぶ理由 ケンタの利用は「クリスマスだけ」という実態

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同社ではこうしたオリジナルチキンのこだわりをより広く伝えていこうと、さまざまな取り組みを行っている。

KFCレストランで提供しているメニューもその1つ。オリジナルチキンをスープカリーと組み合わせたり、コールスローをチキンの上にソースのようにかけて食べるなど、家庭でもできる、多様な楽しみ方を提案している。

また、同店内には、このたび初めてオープンキッチン式の「KFCキッズスクール」スペースを常設した。キッズスクールは2013年から展開している取り組みで、肉の衣つけ、揚げなど、店舗で日頃行われているのと同じオリジナルチキンの調理を子どもたちに体験してもらうもの。

こだわりを伝えるブランド戦略がカギ

KFC本社や一部店舗で夏休みの時期などに開催しており、これまでに3500組が参加してきた。食育や、食の安全・安心を消費者に伝える目的があるが、同時に、オリジナルチキンのこだわりを訴求する機会にもなっている。また、こうした食育活動はスタッフ自身の学びにつながり、愛社精神を育てるのにも役立っているという。

このたび南町田グランベリーパーク店(KFCレストラン)では、月に1〜2回の頻度で定期開催。また、50周年を迎える2020年夏には、開催店舗を現在の20店舗から50店舗へと拡大する予定だ。

全国の店舗においてもオリジナルチキン推しを強化。キャンペーン計画でも、新商品や期間限定商品の展開とともに、オリジナルチキンのフェアなどをあわせて行い、オリジナルチキンの訴求を常態化しているという。

同社ではこれから「原点回帰」をうたい、経営層がオリジナルチキンを調理することから始まり、スタッフのブランド教育などを通じ、各店舗でも「おいしく作る活動」の強化を行っていくという。

確かに、オリジナルチキンは同社の最大の強み。そのこだわりを伝えるブランド戦略で同社がどう変わっていくのか。2020年に向けて真価が試される。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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