ライバルはiPhone--ゲームに構造変化の波

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 そもそも携帯電話向けなどネットワークゲームの成長を促すような動きは、収益源のパッケージソフト販売を自ら減らすことになりかねない。急成長する勢力に対し、どう対応するか手探りの状態といえる。

パッケージ依存の終焉 問われるのは展開力

これに対して、新たな手法で先手を打ったのが中堅のハドソン。「ボンバーマン」など27タイトルをアイフォーン向けに配信しているが、初のオリジナルゲームとして1年がかりで開発した「エレメンタルモンスターTD」がユーザーから高評価を得ている。余勢を駆って、このゲームコンセプトを踏襲したパソコン向けオンラインゲームを開発(11月末にサービス開始予定)。PSP向けも10月末に配信する。「アイフォーンで人気化すれば、タイトルの知名度が一気に上がる。となれば、他のネットワークゲームなどへの展開につなげることができる」(ハドソンの柴田真人・新規事業本部長)。

エンターブレインの浜村弘一社長は「パッケージソフトだけを売るという時代は終わった。これからはプロデュース能力が勝敗を分けるだろう」と分析する。音楽CDの歴史が物語るように、ゲームもパッケージの市場に頭打ち感があるのは事実。他社のネットワークゲームと自社パッケージソフトとの連携など、トータルでビジネスを進めていく力が今後問われることになる。


(梅咲恵司、勝木奈美子 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)
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