ボルボ「S60」乗ってわかった新型セダンの実力 競合多いカテゴリの中で特筆すべき点は?

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思い返すと、スウェーデンは優れたスポーツギアの国だった。フィッシング好きには「アブガルシア」のリールとロッド。スノースポーツを楽しむひとは「POC」のヘルメットや「ホグロフス」のウェアを知っているはず。

ボリューム感を感じさせる曲面が美しい(写真:LEON編集部)

マリンスポーツだと「ハルベリ=ラッシ」のヨット(スウェーデンはヨット大国)がある。シティアウトドア派には「シュッテルハイム」のレインコートや、広範囲のアウトドアスポーツ用「ヘストラ」の手袋……と、すらすらと出てくる。

実際にボルボも、クルマの宣伝にはセーリングなどのアクティビティのイメージをよく使う。イメージするオーナーの生活といえば、普段は仕事をバリバリしていても、休日をしっかり取って、彼女とか乗せて、海や山や野原へと出かける(おそらくゴルフも)。

疲労しにくく快適で、それなりに速く、安心感も高い

新型S60だって、そういうひとに向けて開発された、疲労しにくく、快適で、それなりに速くて、かつ安心感が高いクルマというのがセリングポイントなのだ。

「センサス」のモニタースクリーンをダッシュボード中央に据え、最近のボルボ車に共通するテーマでまとめられている(写真:LEON編集部)

ボディサイズは、全長4760ミリ、全幅1850ミリ、全高1435ミリで、ホイールベースは2870ミリと長い。競合のひとつになりそうなメルセデス・ベンツCクラスを比較に持ち出すと、こちらは全長4690ミリ、全幅1810ミリ、全高1445ミリで、ホイールベースは2840ミリと少しずつ短い。

S60シリーズのなかで今回乗ったのは、「S60 T5インスクリプション」だ。187kW(254ps)の最高出力と350Nmの最大トルクを発生する2リッターガソリンエンジン搭載で、前輪を駆動する。

走りは、1500rpmから4800rpmにかけて最大トルクが出る、いわゆるフラットトルクのエンジン特性を利用して、市街地ではゆったりいい気分だ。いっぽう高速では加速性能に秀でている。アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、間髪入れずにというかんじで、クルマは加速体勢に移る。

コーナリング性能もよい。ステアリングはダイレクト感が強くて、切り込んだときの車体の反応速度もけっこう速いのだ。ウルトラスポーティではないけれど、トルクのあるエンジンとともに、かなりいいペースで山道を走れる。姿勢だって安定しているので安心感は高い。

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