絶好調の伊藤園「茶カフェ」に映る静かな危機感 定番として盤石の地位だが新たな魅力も必要

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伊藤園の主力ブランド「お~いお茶」は2019年2月に発売30周年を迎えた。

現在の「お~いお茶」の商品ラインナップ(写真:伊藤園)

「2018年の販売数量は9000万ケースを突破しました。当面の目標は年間1億ケースです」(山口氏)

好調を続けるブランドの横顔も紹介しよう。

商品名を「お~いお茶」に変えてブレイク

もともと前身となる商品が発売されたのは1985年。缶飲料で商品名は「缶入り煎茶(せんちゃ)」だった。だが当時の消費者にも読み方がわからず、「まえちゃ?」「ぜんちゃ?」という問い合わせが多かったという。そこで4年後の1989年に現在の「お~いお茶」の商品名で発売された。すると、以前の商品に比べて売り上げが2倍となった。

発売以来、ずっと緑茶カテゴリーにおけるトップブランドを走り続け、緑茶飲料市場における伊藤園のシェアは約34%(2018年)だ。

30年も首位を譲らなかった理由は、地道な取り組みと革新だろう。時にはブランド力を背景にした競合への追随も辞さない。

例えば消費者意識の変化に応じて商品を追加投入する。2018年発売の「お~いお茶 新緑」は、渋みの少ない味わいにして若い女性の支持を得た。「お~いお茶 緑茶」では新しい350ミリリットル容器も発売、飲み残しが少なくカバンに入れやすいサイズにした。

また「お~いお茶 濃茶」の発売は2004年で、その前年に発売されて大ヒットした特定保健用食品「ヘルシア緑茶」(花王)を意識した商品だ。2019年8月には機能性表示商品としてパッケージに「健康カテキン2倍」も掲げ、健康志向の消費者に訴求する。

宮崎と大分にある「お~いお茶」契約茶園(写真:伊藤園)
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