キヤノン、ミラーレス不振で3度目修正の深刻度

ソニーが大きく伸長、揺らぐ絶対王者の地位

キヤノンは7月の中間決算時に300億円の構造改革費用を計上した。その中にはカメラの生産・販売体制の見直しが含まれている。

ほかの事業と比較してもカメラ事業に明るい未来は見えない。10月の決算時に公表された最新見通しによると、2019年12月期のカメラ事業の売上高は前期比20.2%減の4747億円を見込んでいる。

苦戦する理由の1つは、スマートフォンの普及などで写真を撮影するためにカメラが必要とされなくなっていることだ。カメラ映像機器工業会によれば、日本のデジタルカメラの出荷台数は2010年の1億2146万台をピークに急減。2018年には1942万台となり、ピーク時の約10分の1になった。

ミラーレスカメラの伸びが想定以下に

さらにキヤノンを苦しめているのが、ミラーレスカメラの販売台数が当初の想定よりも伸びていないことだ。キヤノンがこれまで強みとしてきた一眼レフカメラと異なり、ミラーレスカメラには本体内部にレンズがとらえた光をファインダーに反射させる「ミラー」がない。そのため、一眼レフよりも小型化・軽量化が可能となり、消費者の支持を集めている。

カメラ市場全体が縮小している中でもミラーレス市場は成長を続けている。2018年の世界出荷台数は一眼レフが前年比約16%減の622万台と減少傾向にあるのに対し、ミラーレスは同約3%増の428万台と増加を保っている(テクノ・システム・リサーチ調べ)。

2018年9月、「EOS R」発表会見でキヤノンの真栄田雅也社長(撮影:尾形文繁)

キヤノンは2018年9月、高級機種であるフルサイズミラーレスとして「EOS R」シリーズを発表。従来は入門機のみでしか扱っていなかったミラーレスに本腰を入れ始め、「ミラーレスカメラでもシェアナンバー1を奪うのは当たり前」(キヤノン開発部門幹部)と意気込んでいた。

【2019年11月7日17時34分追記】写真説明で真栄田雅也社長の社名が誤っていました。上記のように修正いたします。

しかし、キヤノンに立ちはだかったのがソニーだ。ソニーは2013年にフルサイズミラーレスを発売。2018年のミラーレスのシェアは42.5%と圧倒的強さを誇っている(テクノ・システム・リサーチ調べ)。キヤノンにミラーレスカメラ部品を供給している部品メーカーの幹部は「フルサイズミラーレスが投入されて(キヤノンの)売り上げが増えると思ったが、当初の計画にまったく及ばない水準で推移しており、経営計画を変更するしかない」と明かす。

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