「次期レヴォーグ」がSUBARUの命運を握る理由 内燃機関守りアイサイトの進化も走りを重視

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アメリカを主戦場とする販売台数で勝るレガシィではなく、販売規模が小さい日本向けのレヴォーグに最新技術を投入するのは「新しい技術はマザーマーケットである日本のお客様に、届けたかった」(重野氏)からだという。

国内勢が少ない中、レヴォーグの主な競合車種となっているのは、輸入車だ。BMWの「3シリーズ ツーリング」やボルボ「V40」など、走りのよさを押し出すモデルが多い。

プレミアムブランドが多くを占める輸入車は、以前は価格帯が異なるスバルとは競合しなかった。しかし、ボルボの関係者は「安全性を軸にして選ぶ人が増えた結果、スバルと競合する場面が増えてきている」と話す。

トヨタとの提携強化があったから振り切れた 

もともと自社開発する予定だったEVは、企画が立ち消えとなった。トヨタ自動車とEVを共同開発し、発売することとなったからだ。

そんな中、内燃機関やADASの技術進化に振り切ったレヴォーグは、スバルらしさがひときわ強調された車種となった。年間100万台の販売規模で独自路線をひた走ってきたスバルの「運転の愉しさ」の追求は、トヨタと提携を強化するなかで、ブランドの独自性を維持する、という意味でも重要だ。

東京モーターショー2019に登壇した中村知美社長は「オールニューのターボエンジンで、環境対応と走行う性能を両立させたい」と話した(写真:鈴木紳平)

他方、電動化やコネクテッドの領域は、トヨタとの提携強化で大部分をトヨタ側の技術に頼ることになるだろう。

ただし、「共同開発には時間がかかる、来年や再来年にすぐ出るものではない」(中村社長)。トヨタと共同開発するEVも、発売は2020年代前半と、かなりの時間がかかる。

実際、今回次期レヴォーグに搭載されたコネクテッド技術も、スバルがもともとアメリカで導入した自社技術を国内用に展開したもので、トヨタとの技術共有によるコスト低減メリットが発現するのは、まだ先の話になる。

東京モーターショーで異彩を放ったエンジン車が、次世代でも異端児として愛されるのかが、スバルの命運を握ることになる。

中野 大樹 東洋経済 記者

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なかの たいじゅ / Taiju Nakano

大阪府出身。早稲田大学法学部卒。副専攻として同大学でジャーナリズムを修了。学生時代リユース業界専門新聞の「リサイクル通信」・地域メディアの「高田馬場新聞」で、リユース業界や地域の居酒屋を取材。無人島研究会に所属していた。趣味は飲み歩きと読書、アウトドア、離島。コンビニ業界を担当。

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