「周囲を不快にする」エース社員を切るべき理由

それでも最悪な事態になる前に行動すべきだ

また、CEOは社員にもう心配する必要はないと伝えた。管理職と会社との公式の関係は今後も続くが、彼はどの社員からも遠く離れているので、害が及ぶことはないと言ったのだ。

この企業は過去に何度かこのような「隔離」対策を講じてきた。おおむねそれは功を奏したといえるだろう。

しかし、必ずしもこのように「隔離」対策がうまくいく企業ばかりではない。

時には、解決のためにかなりの労力を費やしたにもかかわらず、本人が改善のための努力を始めてくれないこともある。その場合、企業としては強い姿勢で臨まなくてはいけない。

決して妥協をすべきではないだろう。それによって、能力と価値がある社員を1人失う危険を冒すことになっても仕方がない。

実力があっても無礼な人を解雇すべき理由

ある企業に優秀なエンジニアがいた。ともに働く人たちとの間にいろいろと問題が起きていたにもかかわらず、その優秀さのため、かなりの地位まで上りつめていた。

彼の上司は、彼を他の社員たちから引き離し、孤立して仕事ができるようにした。しかし、エンジニアの仕事はどうしても1人では完結せず、他の社員たちとの協調を必要とするため、「隔離」対策は成功したとはいえなかった。

会社は、彼の態度を改善するためのコーチを雇ったが、本人はほとんど関心を示さなかった。この無関心さ、冷淡さが、周囲の社員たちにとっては余計につらかったらしい。そして、ラテンアメリカでの仕事中、このエンジニアは、顧客の言葉のアクセントを馬鹿にするという無礼を働いた。それが最後の決め手になった。会社は彼を解雇した。

そういう強硬な姿勢を貫くのは賢明なことだ。もし、無礼な社員の態度を改善できなければ、その後、好ましくない結果が多数もたらされるおそれがあるからだ。

社員の1人が誰かにひどい扱いを受ければ、そのうちの80パーセントは、社内、社外の誰かに話すことになるだろう。また4分の1の社員は、自分の不機嫌な感情を顧客にも波及させてしまう。不機嫌のために同僚に協力する気持ちすら失せる。

何よりも問題なのは、無礼な社員の態度を長い間放置してしまうと、本人がそれで大丈夫だと思い込むことだ。しかも、その間に、悪影響が同僚や部下たちにも及ぶ。彼らも同じように、悪い態度はここでは許容されると思うようになる。

むしろ、態度が悪いほうが力を持てるのではないかと思う者もいる。当然、その両方という者もいるだろう。

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