ジム・ロジャーズ「3年以内に最悪の相場が来る」 債券バブルが崩壊すれば大変なことになる
――トランプ大統領は中国に「関税攻撃」を仕掛けましたが、結局アメリカの対中貿易赤字はほとんど減っていません。
対話は継続しており、どこかのタイミングでは「両者とも状況は改善した」と言うだろう。実際に、しばしの間は改善するだろう。市場は回復するだろうし、アメリカも何か手を打つだろうし、中国も手を打つだろう。
繰り返しになるが、アメリカが再び困難に直面し始めたら、トランプ大統領は他の国のせいにし、貿易戦争を激化させるだろう。
今後、貿易戦争が改善に向かっていると思うこともあるかもしれないが、実際には悪化していく。そして世界中で深刻な問題に直面するだろう。
――「アメリカの中国たたき」は決して上手くいっているようには見えませんが、2020年の大統領選がカギを握っています。トランプ大統領は再選されるでしょうか?
難しい質問だ。ほとんどのアメリカの現職大統領は再選されている。いろいろな理由があり、(再選出馬した)現職の大統領を負かすのは極めて難しい。なので「賭けろ」と言われたら、私はトランプ大統領が勝つ方に賭ける。ただし、私は彼には投票しないけどね(笑)。
債券バブルは「今までで最もひどいバブル」
――現在の「債券バブル」をどう見ますか? もし崩壊するとしたら、何がその原因で、その後どうなりますか?
債権バブルはあらゆるバブルと似ているが、これまでで最も酷いバブルだ。もしバブルがはじけたら、極めて多くの人々が甚大な損失を被るだろう。世界の歴史の中で、金利水準が世界中これほどの規模で低下したり、マイナス金利となった例はない。
――これに関連して、MMT(現代貨幣理論)についてどうお考えでしょうか?ロジャーズさんは賛成ですか、反対ですか?それはなぜですか?
MMTは(ちょっと)ばかげていると思う。いろいろ試されてはいるが、もしMMTが事実なら、いま世界で1番お金持ちの国はジンバブエだったはずだ。アルゼンチンもとても裕福になっているはずだ。私は(MMTは)ばかげていると思う。「タダ飯」なんてものは、世の中に存在しないのだから。一時的には効果はあるかもしれないが、長期的にはしっかりと裏付けされたお金がないと、全てが瓦解する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら