「独身アラフィフ女性」海外移住2年後のリアル 人生経験を積んだからできたことがある

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私は子どものころ「お前はダメなやつ」と言われ続けて育ったせいか、とにかく自分に自信がなかった。表面的には隠してみるものの、なにかというとすぐ弱気で否定的な自分が現れる。変わってきたのは45歳を過ぎた頃だろうか。自分はダメなやつかもしれないが、ぬぐい切れない劣等感と闘いながら20年以上、何とか自活してきたのである。その実績が自分自身の心の支えとなった。

場所はポーランドに移ったが、「今までも何とかしてきたから、これからも何とかする」という心構えで臨んでいる。30歳のころの自分だったらそうは思えなかったかもしれない。若くないからこそのメリットもあるのだ。

人脈を広げたことの「効果」

もちろん苦労はあるものの、拠点を移して2年半経っても「ポーランドライフ、楽しすぎる」と感動することがある。最大の理由は、友人関係に恵まれていることだろう。ワルシャワはネットワーク作りのためのイベントが充実しており、筆者もスモールビジネスを立ち上げることを目標としているので、特にスタートアップ系のイベントには行きまくっていた。そのおかげで人脈はかなり広がった。

ワルシャワでは数多くのネットワークイベントが開催されている(筆者撮影)

最近は路上、公園、メトロの駅、バス停など街のいたるところで友人と出くわす。共通の知人がいることは珍しくなく、新たに知り合った人が実は知人のいとこだった、ということもあった。

友人の数が増えただけでなく、関係性も深まっている。うっかり愚痴や不満などこぼそうものなら、よってたかっておせっかいをやいてくれる。例えば、ビジネスの提携先探しに腐心していたとき、友人の1人が弁護士を紹介 しようと言い出した。

実はすでに弁護士の友人・知人は13人もおり、そのときに必要なのは弁護士ではないことを伝えたのだが、それでも彼は紹介する、と譲らない。おせっかい気質のポーランド人らしいエピソードだが、自分のことを気にかけてくれる人たちがいるというのはありがたいことだ。

前回の記事を書いてから、「自分も海外で暮らしたいと思っている」という反響がけっこうあり、改めて海外移住の関心の高さを実感した。「できれば××で暮らしたい」というような声が多いのだが、できるかできないかは結果論なので何とも言えない。しかし、やるかやらないかは自分で決めることができる。

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