あえてブームを避けるニッチ分野の商品開発に力を入れ、現在は粉末オリゴ糖「カイテキオリゴ」などの健康食品と、小ジワ対策のヒアルロン酸化粧品を主力商品とするネット通販ベンチャーへ成長している。毎期5商品前後の新商品を投入する中、約7割の定期購入率を獲得、広告の自社運用にも強みを持つ。
3位には寿スピリッツの河越誠剛社長の41倍が入った。同社は鳥取発祥で、日本各地の観光地にある地域限定土産菓子の製販会社を統括する。河越社長は上場直前の1994年6月に現役職に就任。経営不振の菓子メーカーを買収し、商品を人気ブランドに立て直すなど、手腕を発揮してきた。
傘下には北海道地盤でチーズケーキをはじめとする洋菓子を製造・販売する「ルタオ」を運営するケイシイシイや、首都圏の商業施設で「ザ・メープルマニア」を展開するシュクレイなど複数社を抱える。
地方発祥企業とオーナー経営が強い理由
表を見ると、いくつかの共通項に気づく。第1にオーナー企業の多さだ。ここではオーナー企業を、会社代表者が大株主に名を連ねる企業と定義している。実に68社のうち51社、8割近くをそうしたオーナー企業が占める。
そして第2に地方発祥企業の躍進だ。こちらは68社のうち24社に、関東以外の発祥企業が入っている。オーナー企業であれば、トップダウンで迅速に意思決定し、素早く行動することで他社に先んじて市場を制することができる側面もあるだろう。
また、地方発祥企業は自らの商圏で独自のビジネスモデル構築に成功した企業が多い。地盤を固めた後、大都市や海外市場を開拓することで、大企業に成長したケースは、ファーストリテイリングやニトリホールディングスなど先行例が多い。
今後の成長企業発掘のヒントとしては、オーナー企業で地方発祥、さらに上場間もない企業などから探してみるのも面白いだろう。『会社四季報秋号』では、全上場企業について「トップの実績」を掲載している。巻頭では営業利益増加倍率ランキングも掲載している。ぜひ、成長の兆しを感じられる企業を発掘して頂きたい。
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