日比谷線新駅「虎ノ門ヒルズ」どんな駅になる? 臨海部への玄関口、五輪開催前に開業予定

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駅整備の事業主体である都市再生機構(UR)と、設計・工事を担う東京メトロは8月下旬、新駅の工事現場を報道陣に公開した。

工事は2016年2月に着工。現在の進捗率は「来年の開業に向けてということで言えば、土木的には80%」(藤野課長)といい、深さ約8mの地下1階には、すでに円い柱が立ち並ぶホームが姿を現していた。既存のトンネル側壁を取り壊す作業もほとんど終わり、天井付近には側壁を切り出した跡が見える。壁がなくなった線路側は、仮設の鉄板で覆われた状態だ。

鉄板の裏側はすぐに線路。電車が走る様子は見えないものの、数分おきに低くくぐもった地鳴りのような電車の走行音が鳴り響く。鉄板はトンネル側壁を撤去する際の防護壁のため、今後取り外しを進めるといい、藤野課長は「10月中旬ごろになれば、目を凝らせば車内からホームの姿が見えるのでは」と話す。

列車を止めずトンネル下を掘る

一方、すでにホームの形が見えている地下1階とは対照的に、将来の改札階となる地下2階は掘削作業が続き、土砂があらわになっている。ここで行われているのは、電車が走る既存のトンネルに影響を与えないよう、下からトンネルの構造物を仮受けして支えながら直下を掘り進める「アンダーピニング工法」による工事だ。

東京メトロの担当者によると、この付近の地質は軟らかく掘りにくいといい、「列車を運行しながら掘削を続けるのは難易度が高い工事。何か1つあれば1日100万人以上の足を止めてしまうので、つねに緊張感を持って進めている」と語る。

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