メルペイが「巣鴨地蔵通り」を占拠した真意 キャッシュレス還元をアピールに決済に誘導

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メルカリでモノを売って得た売上金は、メルカリ内で買い物するのに使えるだけでなく、スマホ決済のメルペイを通じコンビニや飲食店でも利用できる。

メルカリ社にとっては、メルカリユーザーを増やすことはそのまま、メルペイユーザー予備軍を増やすことにもなる。国内では足元で最も注力するメルペイ事業を伸ばすうえでも、全世代でメルカリの新規ユーザーを開拓していく意味は大きい。

ペイペイは店頭活用によるサポートを強化

他方、スマホ決済にはフリマとは違ったハードルもある。消費増税に合わせ国主導で始まるキャッシュレス決済へのポイント還元事業は、”現金派”だった消費者をスマホ決済へ引き込む呼び水にはなっている。

競合がひしめく中、メルペイとして独自の強みを発揮できるかがシニア層開拓のカギを握る(記者撮影)

だが、「すでにコンビニやスーパーが発行している電子マネーを使っており、新しい手段を増やすのは面倒」(巣鴨の講座に参加した70代女性)という意見も聞かれる。売上金をそのまま使えるというメルカリならではの強みに関しても、「『どこまでお金を貯められるかな?』というのが自身の楽しみなので、日常の買い物にこまごまと使うのには抵抗がある」(同じ70代女性)。

スマホ決済のライバルに目を転じれば、ソフトバンク・ヤフー連合の「ペイペイ」も、全国ソフトバンクショップの店頭を活用した利用者サポートを強化。メールや電話だけの対応では不安を感じやすいシニア層にも広く訴求することを目指す。

スマホ決済がある程度浸透し、各社のターゲットは確実に広がっている。シニアの開拓は決して容易ではないだろうが、国内の人口比率を鑑みても、各社が避けて通れない道といえるだろう。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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