スカイライナー、在来線最速支える「プロ意識」 最高時速160km、線路や信号などに総力を結集

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また「信号も特別なものを採用している」と、信号通信課長の小池氏が教えてくれた。 成田スカイアクセス線で採用したのが、国内初の6現示6灯式信号機だ。

赤色灯が1個点灯していれば「停止」、黄色灯が1個点灯していれば「注意」、黄色灯1個緑色灯1個同時点灯していれば「減速」、同じ黄色灯1個緑色灯1個でも同時点滅であれば「抑速」、緑色灯1個点灯であれば「進行」、そして緑色灯が2個同時点灯であれば、時速160kmまで出せる「高速進行」の合図となる。

速度に6パターンもの細かい制限をかけることによって、できる限り合理的なダイヤを組める仕組みとなっているそうだ。

そしていちばん大切なのは高速運転中でも視認できることである。そこで「高速進行」の2個の緑色灯は離れた場所で点灯させ、視認性を高めている。

信号も国内初なら、電気を送る架線の方式も日本初の新方式「き電ちょう架方式によるヘビーコンパウンドカテナリ式」を採用していると、教えてくれたのは電力課長の瀬戸口氏である。

架線の強度を保つ工夫

当然のことながら、車両のパンタグラフとトロリ線はつねに触れた状態でいないといけない。離れてしまうと車両への電力供給が止まってしまうので、パンタグラフから離れないよう、できる限り架線を直線に保ち、かつトロリ線とちょう架線の引っ張る力(引張力)を走行速度に応じて強めに保つ必要がある。

したがって時速160kmの高速運転だと、トロリ線とちょう架線の2本しかない通常の架線では、つねに接触しているのが難しい状態となる。

そこで成田スカイアクセス線に採用したのが、先の「き電ちょう架方式によるヘビーコンパウンドカテナリ式」である。真ん中にもう1本、補助き電ちょう架線を入れることにより、3本の力で引張力を最大限、強くし、車両に触れるトロリ線が平坦になるようにした。

この架線は非常に重くメンテナンスも大変だと瀬戸口氏は言う。 通勤型車両の3000形車両に1編成だけ架線検測装置を装備した車両があり、これに乗り毎年トロリ線の磨耗を測定するのはもちろん、素材が銅なので温度によって伸び縮みがあるのを調節しなければいけない。暑い夏にはたるみが出て、冬には縮んでしまう。

そこでベストな架線の強度を保つために、気温によってバネバランサーを引くストロークの距離をきめ細かく調整をしているという。

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