「日産」ゴーン去っても絶望的とは言えない理由

情け容赦ない改革が何をもたらしたのか

日産自動車・カルロス・ゴーン元会長(写真:共同通信)
2018年11月、金融商品取引法違反の容疑で逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長。改革に大きく貢献したゴーン氏が去ったあとの日産の未来はいかに。『大前研一 世界の潮流2019~20』から「ゴーン氏逮捕が日産に与える影響」についてお届けする。

日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕された。私はその半年前に彼の不穏な動きを察知し、それをある記事に書いていたのである。

私が疑問に感じたのは、ゴーン氏のルノー会長の任期が延長されたことだ。ゴーン氏は日産自動車とルノーの会長を兼任していて、ルノーの会長職は2018年までだったはずである。それが、突如2022年まで延びたのだ。さらに、時を同じくして明らかにフランス政府寄りの発言が増えてきた。

そこで、ゴーン氏がフランス政府、さらにいえばマクロン大統領との間で、日産自動車とルノーを完全統合する密約を裏で結んでいたのではないかと私は疑い、それをある記事で指摘したのである。

ルノーとはどんな会社か?

ルノーは第2次世界大戦後に国営化され、現在もフランス政府が株式の15%を保有している。しかも、株式を2年以上保有する株主には2倍以上の議決権を与えるというフロランジュ法により株式の影響力は30%となり、人事権など経営の重要な意思決定に介入できるのだ。一方、日産自動車も同様にルノーの株式を15%もっているが、これには議決権が付与されていない。

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